【F1】アストンマーティンとホンダの絆はより強くなった 開幕前の不穏な状況から「ひざをつき合わせ、何度も話し合った」
F1第10戦ベルギーGPレビュー(後編)
ファクトリーではアップデートパッケージの開発に専念し、レース現場では待望のアップデートパッケージが投入される時に備えて進めてきた6カ月間──。
その長いトンネルは、ようやく終わりを迎えた。
アストンマーティン・ホンダは「レースに戻る」ことができるか photo by BOOZYこの記事に関連する写真を見る 7月19日にスパ・フランコルシャンで行なわれた第10戦ベルギーGP決勝。最後尾でチェッカーフラッグを受けた瞬間、アロンソは何度も激しくバーンアウトを繰り返してみせた。ずっと抑え続けたフラストレーションを解放し、新たなチャプターの始まりを喜ぶように。
最後に大きく立ち塞がっていたスパの難コースを乗り越えたアストンマーティン・ホンダのスタッフたちからは、安堵の様子が漂っていた。
もちろん、ハンガリーGPに投入されるアップデートが、すべてを変えるわけではない。
いきなり上位争いができるようになるわけでもなければ、Q3進出や入賞争いができるようになるわけでもない。
アストンマーティンの現場を取り仕切るチーフトラックサイドオフィサー(CTO)のマイク・クラックは、アップデートがもたらす効果についてこう語る。
「ようやくアップデートが投入できることを、とてもうれしく思っている。それがどのくらいのアップデートになるのか、みなさんも興味津々だと思うが、それは我々も同じだ。
ただし、我々にとって最も大切なのは、『レースに戻ること』。ここ数戦はまったく戦えていなかったし、中団グループについていくのにも、かなり苦労していた。だから、アップデートの内容がどんなものであれ、再びライバルたちとレースができるようになることが大切だと考えている」
入賞争いに加わるには、中団グループのトップに並ぶ必要があり、その差は3秒以上。Q1突破を果たすにも、中団グループ下位を上回る必要があり、その差は2秒以上。1.5秒のタイムアップを果たして、ようやく目の前を走るキャデラックを打ち負かすことができる。
少なくとも、ハンガリーGPに投入される車体側のアップデートだけで2秒以上のタイム短縮を果たせると考えるのは、いささか楽観的すぎるだろう。
それがクラックCTOの言う「レースに戻ること」だ。
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著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。


