「サッカーが楽しくない」宇佐美貴史を襲ったサッカー人生最大の苦悩
宇佐美貴史インタビュー(前編)
ブンデスリーガ1部への昇格を確定させたフォルトゥナ・デュッセルドルフは、ブンデスリーガ2部の最終戦で、勝ち点で並ぶ1.FCニュルンベルクと対戦。シーズン後半に入って、確かな存在感を発揮し続けてきたMF宇佐美貴史は、その"優勝"を懸けた大一番でも躍動した。
前半15分までに2点を失う苦しい展開の中、37分に自らヘディングでゴールを挙げて反撃の狼煙(のろし)を上げると、その後も攻守に輝きを見せる。
最終的にデュッセルドルフは、後半59分に同点に追いつき、さらにアディショナルタイムに決勝点を決めて逆転勝利を収めた。奇跡的な"優勝"を決めた試合で、宇佐美は最後までそのピッチに立ち、歓喜に酔いしれた。
「ガンバ大阪時代にも優勝は経験してきましたが、今回の"タイトル"は、海外で積み上げてきたキャリアでは、初めて自分がしっかりと絡んで勝ち取った"タイトル"ですから。特にここまで苦汁をなめることも多かったし、苦しんだ時間も長かったことを考えても、また、日本とは違って人間関係や自分のチーム内での立ち位置まで、本当にすべてをイチから構築しながらたどり着いたことを考えても、達成感はとてつもなく大きい」
そう語った宇佐美の表情は、昨年12月に見たものとは対照的に、晴れやかだった。
振り返ること半年前の2017年12月。ドイツの地で取材を行なった際、宇佐美は苦しみのど真ん中にいた。
デュッセルドルフに移籍後、前半戦は苦しいシーズンを過ごしていた宇佐美
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