リーズが井手口陽介を獲得する理由を、
フロントの藤田俊哉に聞いた
藤田俊哉インタビュー@後編
ヨーロッパで監督になるためにVVVフェンロで3年半を過ごした藤田俊哉は、今シーズンからリーズ・ユナイテッドのフロント業務に携わっている。前編ではその経緯について話を聞いたが、後編ではリーズ移籍間近と言われている井手口陽介について語ってもらった(今インタビューは12月下旬に行なわれた)。
藤田俊哉は井手口陽介をどのように評価したのか
―― ガンバ大阪の井手口陽介選手がリーズに移籍間近なのは、もうみんなが知っている事実と言っていいと思います。リーズは彼に何を期待しているのでしょうか?
藤田俊哉(以下:藤田) もちろん、戦力アップと将来性。リーズからスケールアップもしてほしい。
―― 「育てて売る」。これはセットですか?
藤田 それはリーズだけじゃない。すべてのクラブが基本的にその考えを持っている。移籍に関して最大のポイントは「チームを強くすること」。それに付随して、マーケットに選手を乗せることができたらチームは幸せだし、選手も幸せという構造ができあがっている。それは間違いないこと。
ヨーロッパは移籍に対して、ネガティブなイメージはない。あっても稀(まれ)。フィーゴの例(※)とかあるから、ネガティブなイメージがまったくないと言ったら嘘だけど、多くの人が移籍で幸せになっている。
※2000年7月、当時バルセロナに所属していたルイス・フィーゴがライバルチームのレアル・マドリードに移籍したとき、激怒したサポーターがフィーゴの経営する日本料理店を破壊する騒動となった。
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