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酒井宏樹の野望。「マルセイユで
絶対に取り戻したいものがある」 (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 赤木真二●撮影 photo by Akagi Shinji

――そんなに感覚が違ったんですか?

「ええ。自分の中では、ですけどね。

 それと、レイソル時代はユースのときからチームが強かったじゃないですか? 僕がボールを持てば、周りのみんなが動いてくれるし、僕が走ればボールが出てくるし、ドリブルで仕掛ければ相手を抜ける。あの時代は、そんな感じでいつも試合に勝っていたから、自分にも自信があったと思うんです。

 でも、フランス、イングランド、オランダ、日本と、国はいろいろあって、どこの国が合っているのかは人それぞれだと思いますけど、ドイツ(ブンデスリーガ)は僕にとってすごく難しかったですね。攻守の切り替えも速いですし、サイドハーフがサイドバックの位置まで戻ることが多いから、あまり隙(スペース)もない。だから、サイドバックの僕が攻め上がっても、たとえば味方ボランチの選手がボールを奪われたら、自分が空けたスペースを相手に使われてしまう。そういう難しさもありました。

 それも含めて、たぶんブンデスリーガのレベルが高いというよりは、文化の違いなんでしょうね」

――その問題を、どのようにして克服したんですか?

「まずメンタルを変えること。それと、対戦する選手のことを知るというのも自分の中ではやっていましたね。

 あとは、芝に慣れることも必要でした。たとえば日本でプレーしているときは、取り換え式のスパイクなんて一度も使っていなかったんですけど、こっち(欧州)では取り換え式にしないとノーチャンスなんです。ピッチが柔らかくて、常に湿っている感じで。だから、練習中から取り換え式を履くようになりました。

 そうやって、少しずつ芝に慣れて、サッカーに慣れて、言葉に慣れて、文化に慣れて。だから、結構大変なんです。たぶん、みなさんが想像する以上に大変ですよ(笑)」

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