大ケガから驚異の回復。
MLS工藤壮人が語る「妻の献身リハビリ」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AP/AFLO

工藤壮人(バンクーバー)が語るMLS(後編)

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7月16日、オーランド・シティ戦でゴールを決めた工藤壮人(バンクーバー)7月16日、オーランド・シティ戦でゴールを決めた工藤壮人(バンクーバー) 5月11日、バンクーバー・ホワイトキャップスの工藤壮人(26歳)は、シカゴ・ファイヤーとの一戦で相手GKと激しく交錯、あごを骨折している。

「全治3~4カ月。戦列復帰は8月、もしかすると9月になる」と言われるほどの重傷だった。

 緊急入院した工藤は、その日のうちに折 れたあごを正常な位置に戻す処置を施されている。翌日にはプレートを入れる再生出術を受けた。上と下のあごをワイヤーで固定。骨がしっかり付くまでは噛む 動きができなくなった。食べることも喋ることも、ままならない。幸いにも脳や四肢には別状なく、手術の2日後には退院できたが、1カ月は不自由な生活が続 くことになった。

 日々の食事は、妻が作ってくれた。栄養バランスを考え、食材を選び、ミキサーにかけ、流動食にしてくれたという。1カ 月、その状態が続くことが、アスリートにとってどれだけもどかしい時間か。恐れていたのは体重の減少だったが、妻が献身的に流動食を作ってくれたおかげで (日によっては、1日10食も細かく摂った)、最小限にとどめられた。

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