1部残留へ。ヘルタ原口元気が信頼を勝ち得た理由 (3ページ目)
原口はそういったデータの重要性を認めつつも、それがすべてではないことも分かっている。データが示すのは1対1の量だけだ。第30節バイエルン戦(4月25日)において、原口はチーム2位(両チーム合わせても3位)となる1対1勝利数を記録した。しかし、自分より年下であるバイエルンのゲッツェにクオリティの高さを見せられ、対面した3歳年下のMFヴァイザーに自らのサイドを突破されて決勝点をアシストされてしまった(結果は0-1で敗北)。
この試合における走行距離、スプリント回数、1対1勝利数というデータの面で比較すると、いずれも原口はヴァイザーに劣るものの、その差はわずかでしかない。実際、ヘルタはバイエルンに70%を越えるボール支配率を許しながら終盤まで耐え、原口も失点シーン以外では非常に良く戦えていた。しかし、結局試合を分けたのは原口と対面したヴァイザーの突破だった。
「それが全てかなと思います」と、原口。どれだけ1対1を制しても、ひとつの重要な局面で敗れれば試合は決まってしまう。圧倒的な強さを誇るバイエルンと善戦したことにチームメイトがある種の満足した表情を見せる中、原口は悔しさを隠さなかった。
ヘルタで原口と同じサイドハーフを務めるベーレンスやベン・ハティラといった選手と比較してみても、原口の1対1勝率は彼らより20%程高い51%だ。しかし、ベーレンスは原口より2つゴール数が多く、ベン・ハティアに関しては原口よりも出場時間が短いにも関わらず4ゴール4アシストを記録している。
3 / 4