欧州総括2014-15。リーグを湧かせたティーンエイジャーたち

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi  photo by AFLO

欧州サッカー2014-15総括(1)

 プレミアリーグではチェルシーが、セリエAではユベントスが、そしてブンデスリーガではバイエルン・ミュンヘンがそれぞれリーグ優勝を決めた2014-2015シーズン。ヨーロッパ全土で繰り広げられている各国リーグは、今月中にほぼすべての日程が終了する予定となっている。そこで今回は、今シーズンのヨーロッパ主要リーグで目立った活躍を見せたティーンエイジャーたち(シーズン中に20歳になった選手を含む)にスポットを当ててみたい。

「ジョン・テリーの後継者」とモウリーニョ監督が評価するクル・ズマ「ジョン・テリーの後継者」とモウリーニョ監督が評価するクル・ズマ まず、プレミアリーグでピックアップすべきは、独走優勝を果たしたジョゼ・モウリーニョ率いるチェルシーに彗星の如(ごと)く登場した、20歳の大型フランス人CBクル・ズマだろう。彼がブレイクしたのは、今シーズンの後半戦からだ。1月10日のニューカッスル戦にプレミア初先発を果たしたズマは、不動のCBガリー・ケーヒルの欠場の痛手を感じさせない安定したプレーを見せ、さらにリーグカップ決勝では4-3-3のアンカーに大抜擢。その秘めたる可能性の大きさを証明してみせた。

 サンテティエンヌ時代に16歳でデビューしたズマは、当初から、「強くて、速くて、足もとの技術もある怪物ディフェンダー」として高い評価を得ていた。フランスのサンテティエンヌから獲得する際も、モウリーニョ監督が本人に直接電話してラブコールを送ったほどの逸材だ。ただ、戦術面での理解度に多くの課題を抱え、レギュラー獲得には至っていなかった。しかし、チェルシーで過ごしたこの半年間で、瞬(またた)く間に急成長を遂げたのである。

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