「考・体・心・技」を信条とする塩谷司 37歳になる彼が最優先する、レジェンドたちが継承してきた広島のDNAとは
ベテランプレーヤーの矜持
~彼らが「現役」にこだわるワケ(2025年版)
第9回:塩谷司(サンフレッチェ広島)/後編
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2021年10月。古巣・サンフレッチェ広島に4シーズンぶりに復帰した塩谷司にとって、2022年から指揮官に就任したミヒャエル・スキッベ監督の存在は、33歳というキャリアの後半を過ごしていた彼に、サッカーへの新鮮な思いを蘇らせる意義深い出会いになったという。
「プロになってから、スキッベさんほど『サッカーを楽しもう』という言葉を発する監督はいなかったんですけど、それってすごく大事なことだと思うんです。僕を含め、プロになった選手も、子どもの頃はみんなサッカーが楽しくて、うまくなるのがうれしくて必死にボールを追いかけていたはずで、それがイマジネーション豊かなプレーを生んでいたし、"楽しさ"からサッカーの面白さを見出していた。
それはプロになっても同じで、楽しさから見出せること、観ている人に伝わることってたくさんあると思うんです。だからこそ、スキッベさんの言葉にすごく共感したというか。僕自身も常々ファン・サポーターの皆さんに広島のサッカーを楽しんでもらいたいと思っていたからこそ、自分自身もサッカーを楽しもうという思いがより強くなった。
また、スキッベさんが監督であること以前に"友人"だと思えるほど、いい意味で気を遣わなくてもいい存在なのも、僕にとってはすごく大きいです。ふだんからフランクによく話もしますし、僕なりの思いを伝えたり、ディスカッションしたりすることも多いですしね。そういう意味では監督と選手という垣根を越えて、サッカーを共に追求する仲間、友人という感覚で仕事ができる人に巡り会えたのも、(今年で)37歳になる今もピッチで戦えている理由のひとつである気がします」
もっとも、塩谷がその「思いを伝える」のはいつだって、自分のためではなくチームのことを考えて、だ。クラブの強化部長を務める栗原圭介氏も、塩谷に対して「彼はいつもチームのことを第一に考えて発言してくれる」と信頼を寄せる。
その点、塩谷なりの理由はふたつあるという。
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