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高校サッカー選手権で見逃せないチームはどこだ? 東の横綱・流通経済大柏やプレミアリーグ王者の大津 全国優勝経験校も控える (4ページ目)

  • text by Morita Masayoshi

【関西勢が5チーム集まる】

土屋 めちゃくちゃ頑張ってほしいですね。新田祐輔監督は今年出会った指導者のなかで一番かっこいい人だと思います。あれだけ真っすぐに飾らず、サッカーに全力を注ぎこんでいる人はなかなかいません。

 9月にプレミアリーグWESTのホームゲームに行って、メンバー外の選手がサッカースクールを開いている姿や、ハーフタイムに踊るダンス部の生徒が準備している姿などチーム運営の様子を見させてもらったのですが、学校内や地域から愛されているのがよくわかりました。プレミアリーグWESTではなかなか勝てず、難しい1年になりましたが、そうした頑張りが選手権出場につながった気がします。

森田 神村学園という最強のライバルがいるため、なかなか全国大会との縁がなかったのですが、これまでも全国大会に出れば上位に行けるだけの力を持ったチームでした。今年は"大迫二世"との呼び声も多いFW大石脩斗(2年)、U-16日本代表候補のMF野村颯馬(2年)などアタッカーにタレントが揃っていますし、気の利いた守備ができるDF常眞亜斗(2年)もいい。

土屋 僕の推しはMF柳真生(3年)でロングスローが投げられるし、セットプレーも蹴れる。右サイドバックのDF福留大和(3年)もスプリントができて、正確なクロスを上げることもできる。一芸を持った選手が揃っているのが、このチームの武器です。

森田 鹿児島城西が初戦で対戦する金沢学院大附(石川県)も初出場とは思えない好チームです。ザスパ草津でプレーした北一真監督の就任とともに強化が始まったチームで、初めて予選決勝まで進んだ2018年は星稜に0-4で大敗したのですが、そこからは守備を頑張るだけでなく、しっかりパスをつないで攻撃できるチームを作らなければいけないとチーム作りを進めてきました。

 今年も予選準決勝を見たのですが、どれだけ相手が前からプレスをかけてきてもロングボールで逃げずに、MF今鷹陸(3年)を中心としたビルドアップで自陣からつないでいく姿が印象的でした。全国大会でやってきたサッカーがどれだけ通用するか、楽しみです。

――このブロックは関西勢が5チームも揃っています。

森田 関西に住んでいるので、どこが国立まで行ってくれるのかは期待しています。面白そうなのは草津東(滋賀県)で、今年はMF上原周(3年)やMF寺川剛正(3年)など中盤にいい選手が揃っています。

 それに昨年、予選決勝で延長戦の末敗れた近江が準優勝したことが、選手の刺激にもなっています。選手権終わりに上原が「これほどお餅が美味しくない年はなかった」と冗談交じりに話していましたが、"今年は俺たちの番だ"と意気込んでいます。

土屋 山梨学院(山梨県)もDF鈴木琉斗(3年)やMF根岸真(3年)など各ポジションに実力のある選手が揃っていて、大会を勝ち上がるだけの力を持っています。どこが抜けてくるかわからないブロックですね。

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著者プロフィール

  • 森田将義

    森田将義 (もりた・まさよし)

    1985年、京都府生まれ。10代の頃から、在阪のテレビ局でリサーチとして活動。2011年からフリーライターとしてU-18を主に育成年代のサッカーを取材し、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿を行なう。

  • 土屋雅史

    土屋雅史 (つちや・まさし)

    1979年生まれ。群馬県出身。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。近著に「高校サッカー 新時代を戦う監督たち」(東洋館出版)

【画像】第103回全国高校サッカー選手権大会 トーナメント表

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