高校サッカー選手権で見逃せないチームはどこだ? 東の横綱・流通経済大柏やプレミアリーグ王者の大津 全国優勝経験校も控える (3ページ目)
【どこが抜けてくるかわからないブロック】
昨年インターハイ王者の明秀日立や15年ぶり出場の帝京が入ったブロックこの記事に関連する写真を見る――最後のブロックに行きましょう。ここは昨年のインターハイ王者、明秀日立(茨城県)がいます。
土屋 明秀日立はインターハイで連覇がかかりながら、予選決勝で鹿島学園に負けて、あらためて自分たちの立ち位置を見直したのが大きかったです。それにこのチームは萬場努監督と伊藤真輝コーチのリレーションシップを含めスタッフの力があって、選手たちの心に刺さる言葉選びがうまい。
GK重松陽(3年)、MF柴田健成(3年)、FW竹花龍生(3年)、FW保科愛斗(3年)とインターハイ優勝を経験した選手が軸として残っていて、今年1年、自覚を持ってやってきた感じがしました。県予選は無失点でしたし、決勝は仕事をしなければいけない選手が点を取って活躍したので、上位進出がある気がします。
森田 初戦で対戦する近大和歌山(和歌山県)は強豪との対戦で、藪真啓監督は「まったく期待されていないと感じる」と苦笑いしつつ、「臆することなくチャレンジャー精神で挑んでいって、一発かますだけ」と意気込んでいたので期待したいです。
MF松林優(3年)、FW小嶺李王(3年)など今年はドリブルで前に運べる選手が揃っているので、近大和歌山らしく粘り強く守りながらも、一発を狙える気がします。
今年は開幕戦も豪華ですよね。
土屋 帝京(東京都B)はかなり強いと思います。頂点を狙えるだけの力があるんじゃないでしょうか。FC今治の横山夢樹、梅木怜がいた去年もいいチームでしたが、今年は全体のバランスがすごくいい上に、U-18日本代表のDF田所莉旺(3年)や点が取れるFW森田晃(3年)といったタレントもいます。
プリンスリーグ関東1部ではなかなか勝ち点が取れなかったのですが、僕が見た浦和レッズユースとの試合ではボールを8割ぐらい持っていてうまかった。それに、田所が繰り出す精度の高いフィードに反応できるアタッカーもいますし、2列目はゲームによって顔ぶれがまったく違うぐらい選手層も厚い。控えに回った選手もジョーカー役として機能できるのが今年の強みです。
15年ぶりの出場なので、帝京を見に来る人も多く、スタンドの後押しもアドバンテージになる気がします。
森田 帝京と当たる京都橘(京都府)は新人戦、インターハイで府内のタイトルが取れず、プリンスリーグ関西でも勝てない時期が続きましたが、夏以降はチームを安定させるため、アタッカーだったDF宮地陸翔(3年)をセンターバックに、DF増井那月(3年)を右サイドバックにコンバートしたことがハマって、チームが浮上してきました。
もともと苦しい年だと予想されていましたが、最終的にはいいチームになりました。軸となるふたりがポジションを下げた代わりに、攻撃は2年生の台頭が著しく、FW伊藤湊太(2年)は183cmの高身長と身体能力を備えたストライカー、左のMF河村頼輝(2年)もキレのある突破が魅力で、今大会を機にブレークする予感が漂っています。
このブロックは鹿児島城西(鹿児島県)も楽しみですね。
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