川島永嗣が3カ国で学んだGK像の違い「スコットランドでは『キャッチング』に美学がある」 (5ページ目)
── 個性や特徴を尊重してくれていた?
「そうです。たとえば、ゴロのシュートって日本ではひざを折り曲げてキャッチするのが一般的だと思います。でも、長身の選手のなかには体が大きいがゆえに、ひざを折り曲げるのが得意ではない選手もいます。
そうすると、足を広げたままキャッチすることを選択するGKもいるわけです。ヨーロッパでは、足を広げてキャッチしたからといって、それでミスをしなければいいと考えてくれる。そういうところは海外ならでは、というか。こうしろと押しつけるのではなく、人によって判断を尊重してくれている気がしています。
ただし、足を折り曲げられないのであれば、足を広げてもいいけど、その代わりにミスをするなよ、と。尊重してくれるからこそ、責任は自分で取らなければいけない。そこはヨーロッパでプレーして感じたこと、学んだことのひとつでした」
(後編につづく)
◆川島永嗣・後編>>後輩には「動けていなかった時には、遠慮なく言ってね」
【profile】
川島永嗣(かわしま・えいじ)
1983年3月20日生まれ、埼玉県与野市(現さいたま市中央区)出身。2001年に浦和東高から大宮アルディージャに加入。プロ3年目に正GKの座を掴み、2004年〜2006年は名古屋グランパス、2007年〜2010年は川崎フロンターレで経験を積む。2010年7月、ベルギーにリールセに完全移籍。その後、スタンダール・リエージュ→ダンディー・ユナイテッド→メス→ストラスブールでプレーし、2024年よりジュビロ磐田に加入した。日本代表では95試合に出場し、4度のワールドカップを経験。ポジション=GK。身長185cm、体重82kg。
著者プロフィール
原田大輔 (はらだ・だいすけ)
スポーツライター。1977年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌『ワールドサッカーグラフィック』の編集長を務めたのち独立。Jリーグを中心に取材し、各クラブのオフィシャルメディアにも寄稿している。主な著書に『愛されて、勝つ 川崎フロンターレ「365日まちクラブ」の作り方』(小学館クリエイティブ)など。
【写真】Jリーグ愛が深すぎる!三谷紬アナウンサーフォトギャラリー
5 / 5