川島永嗣が3カ国で学んだGK像の違い「スコットランドでは『キャッチング』に美学がある」 (3ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke

【自身に考えがなければ正解も否定もできない】

── フランスはフランスで、求められるプレーが異なっていたのでしょうか。

「フランスはベルギーに似た傾向もありましたが、シュートの止め方をはじめ、状況判断については、より細かさがありました。この場面で、こういうプレーをしていたらトップレベルでは通用しないと指摘されることもありましたし、GKを見る目の厳しさをより感じました。

 実際、求められるプレーが継続できなかったら、すぐに定位置を失うし、代えられる。GKはフィールドプレーヤーよりも、一番手、二番手と序列が決まっている傾向がありますけど、フランスではパフォーマンスが悪ければ、たとえ一番手であっても、どこかのタイミングで代えられてしまう。

 だから、シーズンを通してパフォーマンスを維持するためのプロセスや、GKとしての判断、技術、スタイルについては、練習から厳しい目を感じていました。実際に自分も、急にチャンスが巡ってきたことがありましたから」

── GKの技術についても、日本で培ったものとの違いを感じる部分はあったのでしょうか。

「興味深かったのは、たとえばですが、1対1の状況でのシュートセーブについて、今は足も使って止めるのは一般的で、足を開いて守ることもセオリーになってきていますよね。でも、GKコーチも世代によっては、そうした守り方についての指導経験がないため、ヨーロッパでも意見がわかれたりします。

 今、挙げたのはあくまで一例ですけど、コーチによっても、選手によっても、それぞれにみんな違う意見や違う考え方を持っていました。だから、なおさら自分なりの考えを、コーチや周りに共有しなければならないし、伝えられなければならないんです。

 要するに、自分自身に考えがなければ、『こうしたい』という正解も『これは違う』という否定もできなくなってしまう」

── 自分がどうしたいのかを主張するためにも、自分のなかで理論や方法を確立しておかなければならないと?

「そうです。おもしろかったのは、フランス時代にGKコーチから『ウォーミングアップに何をやりたい?』って聞かれたんですよ」

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