小林悠や大島僚太に衝撃を受け、中村憲剛に教えを請う。フロンターレの若手有望株はこうやって次々と育つ

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by ©KAWASAKI FRONTALE

川崎フロンターレの育成システムを掘り下げる04(全4回)

 来シーズン、川崎フロンターレのU−18からDF高井幸大、DF松長根悠仁、MF大関友翔の3人がトップチームに昇格する。

 2019年にはサガン鳥栖に期限付き移籍中の宮代大聖、2020年には宮城天、今年は五十嵐太陽と、ここ5年でU−18からストレートでトップに昇格する選手は6人になる。すでに高井は今年2月にプロ契約を締結し、今季はトップチームの練習に参加しているが、来季から正式に川崎フロンターレの一員になる3選手の歩みを知ることで、アカデミーのフィロソフィーが見えてくる。

◆第1回はこちら>>板倉滉、三好康児、三笘薫、田中碧...4人はフロンターレでどう育ったのか。幼少時代のコーチに聞いたそれぞれの特長と共通点
◆第2回はこちら>>「選手たちの意識がこんなにも違うのか」。フロンターレU―18がトップチームと対戦、その後にどんなことが起こったのか
◆第3回はこちら>>ダイヤの原石はどうやって見つけるのか。フロンターレのアカデミー専任スカウトが「スピードや高さ」より重要視すること

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左から、松長根悠仁選手、高井幸大選手、大関友翔選手左から、松長根悠仁選手、高井幸大選手、大関友翔選手この記事に関連する写真を見る 192cmの身長が魅力の高井幸大が川崎フロンターレのアカデミーに加入したのは、小学5年生の時だった。

「セレクションに合格して、5年生からU−12に加入しました。当時はFWでしたが、フロンターレに入って1週間くらいした時にCBでプレーするようになりました」

 セレクションでもFWとして合格をもらっていただけに、当初は「嫌だった」というが、すぐに「うしろからチームを引っ張れることにやり甲斐を感じた」という。そんな高井が加入してすぐに直面したのが、ボールを扱う技術だった。

「練習が始まる前に、課題として出されたリフティングを終わらせなければいけなかったのですが、それにだいぶ苦戦しました。当時はボールを扱う基礎技術が本当に乏しくて。だから、練習のない日には近くの公園で練習していた記憶があります。その時期にリフティングをはじめ、基礎技術を磨いたことで、うまくなったと思っています」

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