小林悠や大島僚太に衝撃を受け、中村憲剛に教えを請う。フロンターレの若手有望株はこうやって次々と育つ (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by ©KAWASAKI FRONTALE

 U−15時代から指導を受ける長橋康弘監督からは技術だけでなく、戦う姿勢も教わった。

「技術はもちろんのこと、球際で相手に競り勝つ、相手よりも走るといった戦う姿勢がなければ、いくらプレーがうまくても試合には勝てないことを教わりました」

 そして「CBとして勝負していく」と決意した高井が、アカデミー時代からずっと取り組んでいるのが、リアクションだ。

「DFは相手のアクションに対して動くことが多く、小学生の時からそこがずっと課題でした。中学生までは自分の身体の成長とイメージが合わず、思うように身体を動かすのが難しかった。U-18に昇格してからは、高校1年生の時に高校3年生と試合をして、毎回といっていいほどやられていました。

 その経験を踏まえて、アジリティやフィジカルに注力し、細かいステップワークや走るスピードを向上させようと取り組んできた結果、高校2年生になって試合に出られるようになり、夏にはトップの練習に参加させてもらうなど、いろいろなものを吸収して得たことを活かせるようになりました」

 トップの練習に参加して得た感覚については、こう説明してくれた。

「あと出しじゃんけんをしているのに負けているような感覚でした。トップの選手が先にグーを出していて、自分はあとから手を出しているのに、チョキを出して負けるような......それくらいこっちに来るだろうと予測して動くと、まったく違う方向に行かれてしまいました。その時、プロになるにはそこを止められる選手にならなければいけない、そこを目指さなければいけないと思いました」

 最大の特徴である高さは、今や武器のひとつでしかない。相手FWの動きを読み、長身を活かして一歩足が出ることで、ボールを奪いきることができる。そして前を向けば、効果的かつ鋭い縦パスを中盤、前線につけられるCBになった。

「強みは攻撃にあります。ビルドアップのところで、状況を考えながらプレーするのが好きなんです。ここにボールをつけたらここが空くといったように。止めて蹴るも学びましたが、CBとして大切なビルドアップもアカデミーで学んできました」

2 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る