「選手たちの意識がこんなにも違うのか」。フロンターレU―18がトップチームと対戦、その後にどんなことが起こったのか
川崎フロンターレの育成システムを掘り下げる02(全4回)
近年、川崎フロンターレのアカデミーで育ち、トップチームを経由して世界へと羽ばたいていった選手たちの飛躍が際立っている。三笘薫や田中碧は今や日本代表でも存在感を示し、カタールW杯での活躍も期待されている。
プレミアリーグ昇格1年目ながら、ユース年代最高峰のリーグで首位を走る川崎フロンターレU-18は、どのようなコンセプトでチーム作りを進めているのか。来季には3選手のトップチーム昇格が発表されるなど、着実に成果を出している川崎フロンターレU-18の長橋康弘監督に、トップチームとアカデミーの親和性について聞いた。
◆第1回はこちら>>板倉滉、三好康児、三笘薫、田中碧...4人はフロンターレでどう育ったのか。幼少時代のコーチに聞いたそれぞれの特長と共通点
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アカデミーの成長に尽力する鬼木達監督(左)と中村憲剛氏この記事に関連する写真を見る 川崎フロンターレが旋風を巻き起こしている。といっても、トップチームではなく、U−18のことだ。
「ユース年代の最高峰リーグ」と位置づけられる高円宮杯JFA U−18サッカープレミアリーグEASTで12戦無敗を続け、試合数にバラツキはあるものの、10月10日時点で11勝3分2敗で首位を走っている。
驚くのは川崎フロンターレU−18が今季、プリンスリーグからプレミアリーグに昇格した1年目ということだ。
コロナ禍でありながら、就任からわずか3年でここまでチームを飛躍させてきた長橋監督は、確かな手応えをのぞかせる。
「クラブとしては(プレミアリーグが)史上初のチャレンジで、初めて経験するレベルでの戦いになるので、チームとしての不安はありました。一方で、選手一人ひとりの力を考えた時、彼らならばやってくれるだろうという思いもありました。
だから、『自分たちなら(昇格1年目であろうが)優勝を目指せるよね』というところからスタートしました。ただ、開幕からここまでひとつも簡単に勝てる試合はなく、対戦相手からも学び、吸収しながらチームも個も成長してきています」
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