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「選手たちの意識がこんなにも違うのか」。フロンターレU―18がトップチームと対戦、その後にどんなことが起こったのか (5ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by JFA/AFLO, ©KAWASAKI FRONTALE

 さらにクラブのレジェンドも、アカデミーの飛躍に一役買っていた。

 中村憲剛である。

「憲剛は多忙なスケジュールの合間を縫って、U−18の練習をちょくちょく見に来てくれるんです。そこでトップでも実施しているトレーニングの意図を説明してくれる。私たちがうまく伝えられなかったことを、ひと言で補ってくれたりして。

 憲剛が『このトレーニングはこういう意図で、こういう場面を作り出すためだよ』と言うと、選手たちの理解も途端に深まるんですよね。鬼木さんも憲剛も『相手を見てサッカーをする』と言いますけど、それを選手たちに直接、言葉で伝えてくれるので、私自身も『なるほどな』って思うこともあります」

 U−18のコーチ陣に、トップチームのコーチも務めていた久野智昭や選手として活躍した佐原秀樹、GKコーチにも浦上壮史と、OBで固められていることも、コンセプトの共有につながっていると教えてくれた。

 クラブとしても、プレミアリーグの試合を等々力陸上競技場で行なう機会を設けるなど、アカデミーをバックアップしている。長橋監督はそうしたクラブの後押しも結果につながっていると話してくれた。

「今の順位、成績だからとかではないんですよね。鬼木さんがトップチームで結果を出してくれたことにより、クラブとしても『次はアカデミーだよね』という流れを作ってくれました。そこには(三笘)薫や(田中)碧をはじめ、アカデミー出身の選手たちが活躍してくれている背景も重なっていると思っています。

 だから、いろいろな人たちがアカデミーに力を貸してくれているので、私からしてみたら『ありがとうございます』という言葉しか出てこないというか、恵まれていますよね」

 2023年春にはアカデミーの拠点にもなるフロンタウン生田が完成し、さらにアカデミーを後押しする機運は高まっていく。

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