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「選手たちの意識がこんなにも違うのか」。フロンターレU―18がトップチームと対戦、その後にどんなことが起こったのか (3ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by JFA/AFLO, ©KAWASAKI FRONTALE

川崎フロンターレU-18の長橋康弘監督川崎フロンターレU-18の長橋康弘監督この記事に関連する写真を見る「2012年に風間(八宏)さんがトップの監督に就任された時、プロになった選手たちがさらに成長してうまくなったという話を聞き、アカデミーとしてもはっきりとコンセプトを意識するようになりました。

 それまでも、フロンターレとしてどういうサッカーをやっていくのか、どういった選手を育成していくのかというテーマは、各年代の指導者が、将来のフロンターレを支えていく選手を育てていくという考えのもとで取り組んでいましたが、より具体化するようになりました」

 ボールを止めて蹴るに筆頭される技術である。ただし、川崎フロンターレは、これを単に"技術"でまとめることはしなかった。

「技術といっても、どこまでが技術に当てはまるかは、人によって捉え方はさまざまですよね。我々としては、その技術が武器になっていて、勝利につながっていくものではなければならないと考えています。すなわち試合に活かせる技術になります。

 その武器がチーム戦術や個人戦術においても活かせるかどうか。そうやって考えていくと、やはり18歳でトップチームに昇格した時、戦力になっている選手になる。そのためには技術だけでなく、試合で戦える選手を育てていかなければならないと思っています」

 だからこそ、「相手を見てサッカーをする」という視点にもつながっていく。長橋監督が続ける。

「相手あってこそのサッカーなので、相手が見えていなければ、自分が持っている、磨いてきた技術を活かす場面や瞬間を判断することもできません。状況に応じて、発揮できる技術こそが本物だと思うので。だから、相手の意図を読み取ることが大切だと思っています。その相手というのは、対戦相手だけでなく、チームメイトも含まれています」

 トップからアカデミーまでコンセプトが一貫し、各年代における指導方法がより明確になったことが結果につながっている。クラブの強みはそれだけでなく、練習や経験にも活かされている。トップチームを指揮する鬼木達監督がOBであり、アカデミーでの指導経験もあるという背景が共有と理解につながっていると、長橋監督は明かす。

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