オシムに激怒された坂本將貴の回顧。翌日告げられた言葉で真意を知った (6ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi

 結果的に2位のガンバが優勝し、首位と勝ち点1差の4位に終わったが、最後まで諦めない姿勢と闘争心が、指揮官の心を震わせた。

「試合中にいきなりシステムが変わって、普段やらないサイドバックをやることになって、点まで取った。自分がなぜ、ゴール前にいたのかはわからないんですけどね(笑)。そうしたら試合後、オシムさんにハグされたんです。何か言葉を掛けられたわけではなくて、ただ握手して、ハグされただけ。でも、なかなかないことなので嬉しかったですね」

 指揮官との別れが突然やってきたのは、この半年後、2006年7月のことだった。オシムが日本代表監督に就任することになったのである。

(後編につづく)

■坂本將貴(さかもと・まさたか)
1978年2月24日生まれ。埼玉県出身。2000年にジェフユナイテッド市原(当時)に入団。2006年までの4シーズンと、アルビレックス新潟に移籍した2007年シーズンに全試合に出場した。2008年にジェフに復帰し、2012年に現役を引退。ジェフの普及・育成コーチやU-14、U-15監督などを経て、2020年にトップチームのコーチに就任した。

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