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清水への移籍を迷った森岡隆三。
鹿島と対等での戦いに違和感があった (4ページ目)

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko
  • 渡部 伸●写真 photo by watanabe shin

――退路を断っての移籍だったんですね。

「だから、鹿島の寮の荷物もすべて、清水へ運びました。でも、清水の寮の部屋が鹿島の3分の1くらいの広さしかなくて(笑)。結局、寮生活をせずに一人暮らしを始めたので、寮では段ボールをすべて開けることもなかったんですけど」

――鹿島との対戦のときはどんな気持ちでしたか?

「対等な立場での対戦というのは、やっぱり不思議な感じがありました」

――今までは紅白戦といえども、追いかける立場でしたからね。その後はライバルとして戦うクラブとなったわけですが、森岡さんにとって、鹿島アントラーズでの1年半はどのような影響を与えてくれましたか?

「在籍はわずか1年半で1試合にしか出場していないので、僕が鹿島にいたことを知らない方も多いと思います。でも、僕の選手としてのキャリアを振り返ったとき、鹿島の影響というのは非常に大きいと思います。ピッチ上はもちろんのこと、ピッチ外でもたくさんの思い出があります。先輩や同僚から受けた刺激は、思いのほか、僕のなかに染みていますね。やっぱり初めてのプロ生活はエキサイティングでしたよ。しかも前年度に優勝している選手といっしょに過ごすわけですから。たとえば、ロッカールームやサウナでの会話とかも思い出しますし、大人への入り口になったんだと思います」

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