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就任5年目。ジュビロ・名波浩監督は
強気に「神様にあらがっていく」 (3ページ目)

  • 原田大輔●取材・構成 text by Harada Daisuke
  • photo by Masashi Hara/Getty Images

 そうした状況で、選手たちも頼もしかった。戦力的に厳しいとは思っただろうけど、ぜんぜん顔が下がっていなかった。(中村)俊輔に『(この現状は)苦しいな』って話をしたら、『これで、違う形の攻撃が構築できるじゃないですか』って返ってきた。『左サイドの推進力はなくなりましたけど、ボールを動かして、人が出たり、入ったりしていく攻撃の形が作れますよね』って。

 精神的な切り替えは、自分よりもむしろ選手のほうが早かったかもしれない。そこには、すごい逞しさを感じました」

――その後の試合を振り返ると、まさしく人が動いて、ボールを動かし、つないで攻撃する展開が増えていったように思います。

「まさにそのとおり。(シーズン序盤と比べると)パス本数は、(1試合あたり)50~70本は増えていると思う。守備は相変わらず安定していて、被シュート数はここまで鹿島アントラーズに次いで少ない。シュート数もリーグの上位(6位)で、ボックス内への侵入回数も増えてきている。攻守において、選手たちがゴール前でやるべきことが整理されてきた」

――なかでも、攻撃面では2列目でプレーしているMF松浦拓弥選手がかなり利いているように見えました。

「(松浦は)昨季から、その片鱗はあったんですよ。周囲は『覚醒』と表現しているけれども、こちらとしては、昨年から何かやってくれそうな予感はあった。

(活躍の要因の)ひとつは、身体のキレが増したこと。実は、松浦は昨年から全体練習のあとに、菅野淳フィジカルコーチとアジリティのトレーニングをずっとやってきていた。ラダーやコーンを使って、毎日メニューを変えながら取り組んできて、明らかに身体のキレがよくなった。

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