福田正博が力説する、川崎フロンターレの
J1優勝がもつ大きな意味 (5ページ目)
そして、やはり中村憲剛について触れておきたい。クラブを象徴する選手として多くのサポーターに愛される努力を続け、今の川崎が、日本人が追求すべき理想的なパスサッカーができているのも、彼がいればこそだ。
クラブは新加入する選手たちにチームが歩んできた歴史や信念を教える必要があるが、口頭だけではなかなか伝わりにくいもの。しかし川崎では、憲剛が率先して地域密着の取り組みに参加し、メディアやファンへ誠実な対応をする姿を見せている。
憲剛は「川崎は自分が入る前から同じようなことをやってきたので、それをやっているだけ」と言うが、先人たちが築いてきた川崎ならではの伝統を、彼が大切に受け継いできたからこそ、小林悠や他の選手たちへと引き継がれているのだ。
2018年シーズンの川崎には、これまで味わったことのないプレッシャーがのしかかる。昨年までは「優勝したい」という目標に向かって走ってきたが、それを実現したことで目標は「連覇」に変わる。追われる立場になった彼らがリーグをどう戦い、悔しい思いをしたACLでどう雪辱を果たすのか。挑戦者から王者になった川崎から目が離せない。
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