福田正博が力説する、川崎フロンターレの
J1優勝がもつ大きな意味 (4ページ目)
進化を遂げた川崎の優勝は、"地域密着"を唱えるJリーグにとっても大きな一歩だ。私自身、すべてのクラブの活動を見てきたわけではないが、ホームタウンである川崎市の地域密着感は、Jクラブのなかでも群を抜いているように感じる。スタジアムのアットホームな空気感は、川崎がこれまで取り組んできたことの成果だろう。
具体的には、選手たちが小学校を訪問したり、地域のゴミ拾いをしたり、商店街に顔を出したり、ホームゲームのハーフタイムにフォーミュラカーを走らせたり......。さまざまな形で地域密着への取り組みにチャレンジをしているからこそ、あれほど地元のファンに愛されているのだ。
川崎のこうした取り組みは、他のJリーグクラブの模範になる。もちろん、「勝利こそが、サポーターに対する最大の誠意」と考えるクラブもあってしかるべきだが、ただ、川崎のような、地道でたゆまない努力をしているクラブがJリーグの頂点に立ったことは、日本のサッカー界にとって価値が高いといえる。
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