「落ちない甲府」のJ2転落。
ファンは日が暮れても選手に寄り添った (5ページ目)
新しい甲府の萌芽は見られた。それは土台になり得るものだろう。吉田監督の続投は朗報と言える。変わらなければいけないという、クラブとしての強い決意が滲み出る。2027年に開通予定のリニア中央新幹線に合わせて、サッカー、ラグビー、アメフト専用球技場が現在のスタジアムの周辺に建築される予定だという。
しかし勝負の世界は非情だ。「2011年以来のJ2降格」という失敗も重く受け止めるべきだろう。勝つための算段において、何かが足りなかった。言うまでもなく、J2の戦いは険しい。
試合終了後、2時間半が経っても、大勢のファンが帰らず、選手が乗り込むバスを見送っていた。彼らは「夜明け」に期待しているのだろう。甲府盆地の山かげから浮かんでいた月が、すでに闇となった中空にあって、眩しい光を放っていた。
◆アントラーズ、よもやのV逸。「王者のメンタリティ」が逆に仇となる>>
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