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「落ちない甲府」のJ2転落。
ファンは日が暮れても選手に寄り添った (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Masashi Hara-JL/Getty Images

 昨シーズンまでのように、ボールを受けた選手が慌てることはなくなったし、サポートの距離もよくなった。立ち位置が決まったことで、クリアがパスになり、セカンドボールも拾う回数が増えた。今季はJ1で6番目に少ない失点数となったが、それは専守防衛ではなく、攻守両輪が噛み合ったことによるものだった。

「1シーズン、達磨さんの指導を受けて、うまくなっているという実感がある。試合に出ている、出ていないは別にして。練習からそれは感じる」(甲府・堀米勇輝)

 後半、甲府はより激しくゴール前へ迫っている。68分に左利きの堀米が投入されると、攻勢のギアが上がった。立て続けにセットプレーを奪い、左足のキックから決定機をお膳立てした。

 しかし、甲府は攻めながらもシュートが枠に飛ばない。シュートの場面で、極端に精度が落ちた。1点が遠いのだ。

「34試合で23得点」

 得点王に輝いた川崎フロンターレの小林悠1人と同じゴール数。チャンスボールを叩き込む、というストライカーを欠いていた。残留したクラブには二桁得点前後の選手が必ず1人はいるし、それに近い選手がもう1人いる。

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