毎年主力が抜けても、なぜサンフレッチェは3度も優勝できたのか (5ページ目)
「シーズンを通して、日々、試合を追うごとに成長曲線を上向きにしながらやってこられた。今日も(ガンバに押されていても)耐えながら自分たちのペースに持ってこられた。そこは、このチームの成長だと思う」
2012年の監督就任以来、7割5分という驚異の優勝確率を誇る指揮官は、選手たちをそう言って称えた。
J1通算優勝回数3回は、ジュビロ磐田、横浜F・マリノスと並び、鹿島アントラーズの7回に次ぐ2位タイとなった。主力選手が頻繁に入れ替わる中で、これだけの成績を残すのは容易なことではない。彼らは条件が厳しいなら厳しいなりに、その中でチーム力を最大化する術(すべ)に長けている。その中で勝つ術を身につけ始めている。
キャプテンの青山敏弘が言う。
「過去の優勝がこの優勝を呼んだ。この優勝で広島はまた強くなれる」
おそらく広島の置かれた状況が突如変わることはないだろう。それでも広島は成長を続ける。
そのことを自らの手で実証した、サンフレッチェ広島3度目の戴冠だった。
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