サッカー日本代表が覚醒した34年前 「日本で最初のターゲットマン」が生まれた
連載第88回
サッカー観戦7700試合超! 後藤健生の「来た、観た、蹴った」
現場観戦7700試合を達成したベテランサッカージャーナリストの後藤健生氏が、豊富な取材経験からサッカーの歴史、文化、エピソードを綴ります。
Jリーグ百年構想リーグで、J1昇格組のV・ファーレン長崎を率いる高木琢也監督。選手としては、サッカー日本代表が大ブレークを果たしたオフトジャパン時代の主力でした。高木選手を「日本で最初のターゲットマン」と評する後藤氏が、当時の活躍ぶりを振り返ります。
サッカー日本代表のCFとして、1992年アジアカップ優勝などに貢献した高木琢也 photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る
【J1昇格組のV・ファーレン長崎を率いる】
「J1百年構想リーグ」が開幕したが、第2節終了の段階で早くも全勝はEASTの東京ヴェルディだけという混戦ぶり。FC東京は0勝2引き分けながら、PK戦が導入された結果、どちらも勝利し勝点4を稼いでいる。
そんななかで昇格組はEASTの水戸ホーリーホックとジェフユナイテッド千葉が勝点1のみ。WESTのV・ファーレン長崎が2連敗と苦戦を強いられている。
いつのシーズンでも同じだが、昇格当初はJ1リーグのインテンシティやプレースピードについていくのはなかなか難しい。
ただ、幸いにも「百年構想リーグ」には降格がない。通常のリーグ戦だったらスタートでつまずくと「降格」の2文字が頭の中にちらついて落ち着いて試合ができず、そのままずるずると低迷してしまうこともある。
だが、降格がないのだから、ある程度割りきって8月開幕の2026-27シーズンに照準を合わせて準備をすることもできる。その間にJ1のサッカーに慣れればいいのだ。特別シーズンがあったのは、今季の昇格組にとって幸運だった。
WESTの昇格組、長崎にとって不運だったのは開幕節からサンフレッチェ広島、ヴィッセル神戸という、ACLE(AFCチャンピオンズリーグエリート)でも決勝トーナメント進出を決めている、Jリーグを代表する強豪との連戦だったことだ。
第2節の神戸戦では立ち上がりこそ互角に渡り合ったものの、前半途中から実力差を見せつけられたが、この2試合の経験を将来に生かしていけばいいのである。
長崎を率いるのは高木琢也監督。2006年に横浜FC監督に就任して以来、多くのチームで経験を積み重ねてきたベテラン監督である。相手を分析して、ゲーム戦術を駆使して守備の安定をもたらす、堅実な指揮官だ。昨季も長崎は6月に高木監督が就任してから15戦負けなしなども含めて着実に順位を上げた。
著者プロフィール
後藤健生 (ごとう・たけお)
1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。1964年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、1974年西ドイツW杯以来ワールドカップはすべて現地観戦。カタール大会では29試合を観戦した。2025年、生涯観戦試合数は7700試合を超えた。主な著書に『日本サッカー史――日本代表の90年』(2007年、双葉社)、『国立競技場の100年――明治神宮外苑から見る日本の近代スポーツ』(2013年、ミネルヴァ書房)、『森保ジャパン 世界で勝つための条件―日本代表監督論』(2019年、NHK出版新書)など。




















