谷口彰悟がオーストラリア戦のオウンゴールを語る「失点直後は、その重大さ、その責任に襲われた」 (5ページ目)

  • text by Harada Daisuke

【ベテランが冒すミスではない】

 しかし、結果的にミスをしたことを受けて、前もって一歩下がっておけばよかった。また、映像で振り返ると、少し右足を振っていただけに、右足でクリアするならば当てるだけでよかったのではないかとも思った。

 今回、自分がミスをしない自信を持っていたところで、ミスを冒してしまったことによって、今後の判断や対応は変わってくるだろう。

 ミスをしないに越したことはないが、それでも人はミスをする。ならば、より改善し、あらためていく必要があるし、あの経験が自分をより強くしてくれるとも思っている。

 自分のオウンゴールに対して、さまざまな見解や意見があるのはわかっているが、自分もそういった検証や反省、はたまた考えは、試合後から今日に至るまで、何十周、何十回としてきている。

 正直、33歳という年齢になって、「これを経験にして次に生かしたい」と言っていてはいけないこともわかっているし、ベテランと言われる年齢の選手が冒すミスではないことも考えた。

 それでも、センターバックは失点に絡むことが多いポジションだからといって、そうした場面から逃げることはしたくない。

 このオウンゴールによって、いろいろなことを改善していかなければいけないとは思っているけれども、センターバックとして今日まで培ってきた自分のポリシーやスタイル、感覚を捨てたくはないし、失いたくはない。

 今までも多くの失点に絡んできたし、試合の結果を左右する大きなミスをしたこともある。自分のミスによって負けた試合だってある。

 そのたびに、プレーを怖がったり、自信をなくしたりしてはいけないと思ってきた。

 チーム、チームメイトに対して、申し訳ないという気持ちや思いは心の底から感じている。それでもあえて思う。

 センターバックは失点に直結するポジション。だからこそ、これからも自信や誇りを持ってプレーしていきたい、と──。

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