谷口彰悟がオーストラリア戦のオウンゴールを語る「失点直後は、その重大さ、その責任に襲われた」 (2ページ目)

  • text by Harada Daisuke

【パーフェクトなゲームは存在しない】

 中国は自陣でブロックを敷き、構えて戦ってきた。そのため、主に守備陣としてはカウンターの対応が求められる展開になった。

 DFというポジションは、「攻撃している時こそ、守備の準備を疎(おろそ)かにしてはいけない」とよく言われるが、たとえボールを奪われたとしても即時回収する守備を90分間続けられたことも、勝利の一因だと噛み締めている。

 "防戦"ではなく"攻戦一方"になると、DFの仕事は少なく感じるかもしれないが、常に警戒は怠れない。一瞬でも水を漏らしてしまうと、相手につけ入る隙を与えてしまう、もしくは「いけそう」という希望を持たせてしまうため、確実かつ瞬時に攻撃の芽を潰していくことが、僕らDF陣の仕事のひとつでもある。

 続く第2節のバーレーン戦は、気温が高く、ボールが行ったり来たりする展開を強いられると、体力を維持するのが難しいことはみんなが感じていた。そのため、どこかで時間を作り、守備もボールを奪いにいくところと、いかないところのメリハリをつける必要があった。

 中国戦で7−0、バーレーン戦も5−0で勝利し、2試合連続の無失点で終えられたことは大きな手応えになった。そこは守備陣だけでなく、攻撃陣も含め、ゼロで試合を進めながら、チャンスをうかがう意識が高く、チーム全体にそうした戦い方が身についてきている証拠といえる。

 第1節、第2節のスコアだけを見ると、得点シーンやよかった場面がフォーカスされがちだが、勝った試合のなかにも課題は散見している。ワンプレー、ワンプレーを細かく見ていくと、失点にはつながらなかったものの、隙を見せてしまった場面やロングボールの対応が甘かったシーンもあった。

 サッカーにおいて、いくら大勝したとしても、パーフェクトなゲームは存在しないと思っている。それだけに、試合後には改善点や修正点を話し合うことはもちろん、クラブに戻ってからも頭の片隅に置いておくことで、次の活動期間で継続して取り組み、それが積み重ねを生むと思っている。

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