谷口彰悟がオーストラリア戦のオウンゴールを語る「失点直後は、その重大さ、その責任に襲われた」 (3ページ目)
【弱気になっていたわけではない】
第3節のサウジアラビア戦は、僕自身にとって初のサウジアラビアとのアウェーゲームだったこともあり、独特な雰囲気と強烈な圧を感じた。至るところで、自分たちらしさが出しづらい環境や状況で、いろいろな考えが頭をよぎった。
バーレーン戦と同じく、気温も高く、ペース配分も含めてテンポやリズムをコントロールしなければならなかった。そういう意味でも、第2節でアウェーのバーレーン戦を経験していたことがプラスに働いた。
ましてや、サウジアラビアは簡単に勝てる相手ではなく、より丁寧な守備が問われた。環境、状況、相手......サウジアラビア戦はさまざまなことを加味したうえで、チームとしてああいった戦い方を選択した。
それは多少、守備的に見えたかもしれないが、決してアウェーという状況に弱気になっていたわけではない。チームとして試合に勝つための適切な判断をしながらゲームを進めていった結果、手にした2−0の勝利だった。
ただ、あの戦い方は、あの状況、あの雰囲気、あの相手だったから。第4節のオーストラリア戦は、ホームであり、日本代表として慣れ親しんだスタジアムでやれるだけに、アグレッシブに戦える、自分もそう思っていた......。
58分に自らのオウンゴールによって、その流れを断ち切ってしまうとは考えていなかっただけに、強い責任を感じている。
オーストラリア戦の守備は、ものすごく集中して戦っていた。特に前半は、ハーフコートに相手を押し込んで戦えていると感じられるような展開だった。ボールを奪われたあとの攻から守への切り替えにおいても、うしろに人が余ることなく、時にはマンツーマンに近い状況で、横幅を3人で守ることができていた。
個人的にもワールドカップ出場を争うライバルに対して、守備で互角以上に戦えていたことは、かなりポジティブだった。まさに日本代表が目指しているアグレッシブな3バックが体現できているという、確かな手応えもあった。
3 / 6