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日本代表に招集してほしい選手。閉塞感を打破してくれそうな旬のJリーガーを選出 (2ページ目)

  • photo by AFLO

日本には珍しい万能型アタッカー

鈴木唯人(清水エスパルス)
原山裕平

 少々、過大評価かもしれない。だけど、何かを期待させるオーラみたいなものが、この20歳のアタッカーには備わっている気がするのだ。

 巧みな動き出しでボールを呼び込み、角度のない位置から決めたJリーグ開幕戦、北海道コンサドーレ札幌戦での同点弾。続くジュビロ磐田との静岡ダービーでは、カウンターから素早く抜け出し、GKとの1対1を冷静に制している。

 開幕2戦連発と勢いに乗って迎えた第3節の横浜F・マリノス戦では、強度の高い相手の守備に苦しみ不発に終わったが、数少ないチャンスはこの男から生まれている。右サイドでボールを受け、対峙するDFをあっさりとかわして正確なクロスを味方に届けたプレーなどは、なかなかにセンスを感じさせるものだった。

 鈴木唯人のことは、ルーキー時代から注目していた。Jリーグの新人研修で話を聞く機会があり、飄々としながらも芯を感じさせるその受け答えが、強く印象に残ったからだ。

「逆境に立ち向かっていくほうが自分には合っているなと思います。だからプロの世界でもどん底から這い上がっていく姿をイメージしています」

 そう答えていた18歳は、1年目から30試合に出場すると、昨季はレギュラーに定着。そして3年目の今季は、もはや清水エスパルスの攻撃の軸として、不可欠な存在となっている。

 バイタルエリアでボールを引き出し、味方につなげるポストプレーは非凡。あるいはターンして前を向き、自らフィニッシュに持ち込むこともできる。仕掛けの能力も備わる万能型は、今の日本ではなかなかお目にかかれないタイプだ。

「サッカーはよく見ますし、自分のスタイルに似ている選手を意識して探すんですけど、特別いないんですよね。だから、自分なりの選手像を作っていきたいです」  

 そのオリジナリティこそが、鈴木の最大の魅力だろう。今年1月にはすでに代表合宿に招集済みで、先日、森保一監督も注目選手としてその名を挙げている。試合によってパフォーマンスに波がある今は、時期尚早かもしれない。それでも、可能性はゼロではないはずだ。

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