パリ五輪世代「大岩ジャパン」に集まった楽しみな素材。3月の初陣ではレアル中井卓大など海外組の招集も
U−21日本代表がチーム立ち上げ後、初めてとなるキャンプを行なった。3月7〜9日のわずか3日間の日程ではあったが、いよいよパリ五輪でのメダル獲得を目指す戦いのスタートである。
とはいえ、Jクラブや大学で活躍するU−21年代のベストメンバーが顔を揃えたのかと言えば、残念ながらそうではない。今回の初キャンプは、Jリーグの試合日程の合間を縫うようにして行なわれたうえ、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、選手の招集には少なからず制限がかかっていたからだ。
練習試合でキャプテンを務めた藤田譲瑠チマこの記事に関連する写真を見る 実際、昨季J1のベストヤングプレーヤーに選ばれたMF荒木遼太郎(鹿島アントラーズ)や、話題のルーキーであるMF松木玖生(FC東京)など、所属クラブでの活躍がありながら今回は参加していない選手が数多い。また、FW細谷真大(柏レイソル)や、DF西尾隆矢(セレッソ大阪)のように、直前のケガで招集を辞退した選手も出ている。
パリ五輪世代の全貌が明らかになるのは、もう少し先ということになるのだろう。しかし、それでも今回のキャンプでは、意欲に満ちた選手たちが激しくプレーする様子を見ることができた。
裏を返せば、まだベストメンバーが揃ったわけでもないのに、それでも十分に強度の高い練習や試合が実践できていたということである。世代全体の底上げを感じさせる現状は、ポジティブな材料と見ていいだろう。
東京五輪で果たせなかったメダル獲得へ向けて、U−21日本代表を率いることになったのは、大岩剛監督だ。
現役時代は名古屋グランパスや鹿島アントラーズでセンターバックとして活躍。監督としても2017年途中から2019年シーズンまで鹿島の指揮を執り、クラブ史上初となるAFCチャンピオンズリーグ優勝を成し遂げた実績を持つ指揮官である。
そんな大岩監督が今回選手たちに強調していたのは、「パリ五輪経由A代表行き」ではなく、「A代表経由パリ五輪行き」を目指せ、ということ。つまり、A代表でも活躍できる選手がこのチームに揃わなければ、パリ五輪でのメダル獲得などおぼつかない、というわけだ。
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