「自分自身、もっと何かができたんじゃないか...」坪井慶介のサッカー人生における唯一の悔恨
日本代表「私のベストゲーム」(8)
坪井慶介編(後編)
坪井慶介が日本代表でデビューしたのは、2003年6月のパラグアイ戦。だが、日本代表に初招集された試合となると、さらに半年以上もさかのぼる。
坪井は、2002年11月に行なわれたアルゼンチンとの親善試合で初めて日本代表に呼ばれ、その後も親善試合のたびにジーコ監督から声がかかったものの、出場機会は一向に巡ってこなかったからだ。
「もちろん代表で試合に出たい気持ちはありました。でも、このレベルの高い集団で一緒にトレーニングをして、行動をともにしている。そのこと自体に非常に充実感を覚えていた時期だったので、そんなにストレスを感じることはなかったです」
当時の心境を坪井は前向きな言葉で回想するが、それでもデビュー戦を迎えた時には、「ホント、ようやく来たかと思いましたね。『ジーコさん、半年間もよく僕を温めてくれましたね』と(笑)」。
2002年に初めて日本代表に招集された坪井慶介。しかし、試合出場までは半年以上の時間を要したこの記事に関連する写真を見る 半年がかりで、ようやく手にしたデビュー戦。日本代表の一員としてピッチに立つことは、それ自体が名誉なことであるのは言うまでもないが、坪井にとってはまた違う意味での価値も含まれていた。
「彼らと一緒のピッチに立つということは、僕にとってはかなり感慨深いものでした」
1979年生まれの坪井は、いわゆる"黄金世代"のひとりである。
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