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「自分自身、もっと何かができたんじゃないか...」坪井慶介のサッカー人生における唯一の悔恨 (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 あのワールドカップで、ヒデ(中田英寿)さんは引退という決断をしましたけど、僕もそれくらいの思いで臨んでいたのかって問われると、やっぱり足りなかったんじゃないのかなと思います。ワールドカップっていうすばらしい舞台に立たせてもらったことへの感謝はあるんですけど、そこで自分自身、もっと何かできたんじゃないのか、何かが足りなかったんじゃないのか、っていう思いは、15年以上経った今でもあります」

 ワールドカップを振り返り、「サッカー人生において非常に重要な、歯がゆい思いや悔しい思いを味あわせてもらった」と語る坪井。おかげで、「その先の人生では、そうはならないように、っていう思いで活動することができたので、今となれば、人として成長するうえで貴重な経験でした」とまで口にすることができる。

 でも――。坪井がつなぐ。

「サッカー人生のなかでは、一番大きな悔いとして残っています。僕、サッカー人生のなかにあまり後悔はないんですけど、日本代表活動の集大成をワールドカップで出せなかったことは、唯一後悔しています」

 だからこそ、日本代表の後輩たちには、自分と同じ思いをしてほしくないと願う。

「どうしたら個々の力がチームとして生きるのかを、監督は監督で、選手は選手で考えなきゃいけない。そこに関しては、今の日本代表メンバーは、いろんな経験をして柔軟な考え方ができると思うので、もっともっとやれると思うんですよ。そこを体現していってほしいなと思います。

 僕はジーコさんの時の最初の半年間は1試合も出ていないですし、監督がオシムさんに代わってからも、1年間くらいずっと呼ばれていたのに試合に出ていないんでよね。なので、試合に出られないといろんなストレスがあるのもよくわかります。それでも、ピッチに立った時にどうしたらチームのために自分の力が一番発揮できるかっていうことは、常に意識していてほしいです」

 坪井が「たとえば」と言って挙げたのは、今年1、2月に行なわれたワールドカップ最終予選の中国戦とサウジアラビア戦でのことだ。

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