「日本代表に招集を」。オーストラリア戦勝利のカギは国内組の有効活用にあり

  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

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江坂任(浦和レッズ)
中山淳
 
 目前に迫る森保ジャパンにとっての大一番、アウェーでのW杯アジア最終予選オーストラリア戦。メンバーの大多数を占めるヨーロッパ組にとって、決戦の地シドニーに辿り着くためには地球の裏側までの長距離移動を強いられる。その負担を考えると、移動距離も短く、時差も2時間しかない国内組を有効活用することも、勝利のためには重要なポイントになる。

 そこでJリーグを見渡したとき、メンバーに加えておきたい選手が浮上する。浦和レッズでプレーする万能タイプのアタッカー、江坂任だ。

 前回招集された日本代表メンバーの前線の選手を見渡せば、1トップの大迫勇也(ヴィッセル神戸)以外はヨーロッパ組で占められている。しかも、各選手のキャラクターははっきりしていて、複数ポジションをスムースにこなせるポリバレントな選手は限られる。

 その点で、江坂は大きなメリットをもたらしてくれるだろう。主戦場は1.5列目だが、大迫に代わる1トップとして起用しても、前線でスペースを見つけることも、ボールを受けてさばくことも、自らフィニッシュすることもできる。典型的なストライカーではないという点では、大迫に近いキャラクター。少なくとも、スピード系の前田大然(セルティック)、浅野拓磨(ボーフム)、古橋梧(セルティック、ただし招集は故障が癒えれば)とは明らかに異なる特長を持つアタッカーだ。

浦和レッズの攻撃陣で中心的役割を果たしている江坂任浦和レッズの攻撃陣で中心的役割を果たしている江坂任この記事に関連する写真を見る さらに、両足を同じレベルで使えるので、4-3-3の両ウイングでもプレー可能で、場合によってはインサイドハーフにも対応できる。サッカーセンスと戦術理解度の高さも折り紙つきとくれば、何が起こるかわからない大一番のメンバーに必要な戦力と言える。

 今年1月の国内組合宿にも招集された江坂の代表キャップは1。代表デビュー戦となった昨年3月の韓国戦では、後半開始から鎌田大地(フランクフルト)に代わって1トップ下でプレーし、コーナーキックのキッカーとして遠藤航(シュツットガルト)のゴールをアシストするなど、上々のパフォーマンスを見せた。

 確かにヨーロッパ組と比べて国際経験は少ないが、現在の森保ジャパンに不足しているタイプの国内組であることは間違いない。

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