サッカー日本代表は変われるのか。一本調子でチームが育っている感じがしない理由 (4ページ目)
オマーンに負けたことが今の状況を作っちゃっているということを考えると、「勝てないな、これは」となった時に、引き分けようということができない。「俺たちはアジアでは強いんだ」というプライドみたいなものが働いているのかどうかわからないけれど、無理に前へ行ってスコンと抜かれて点をとられることが続いている。「2着に入ればいいんだから、そんながむしゃらに勝ちにいかなくても......」という、いい意味での余裕がないというのは、オマーン戦に限らず感じるところです。
逆にサウジアラビア戦などは、もっと前に行くなら行って、相手をちょっとビビらせるみたいなところがあってもよかった。そういういわゆる緩急の使い分けがあまりうまくいってないですよね。
杉山 緩急ということで言えば、たとえば試合の後半でスピード系のウイングを出すとか、技巧派のウイングを出すとか、一番違いを出せる選手交代というのがあります。トップをどういう人でいくのか、そこで色を出すこともできるし、守備的ミッドフィルダーやサイドバックでも出せます。まずそのメンバー交代がちゃんとできてない、枠を使いきれてないというのは監督采配で言うなら最大の問題です。
5人交代制でやっているんだったら、代表監督は勝った試合でも5人を替えないといけない。次の試合というのがあって、1年後の試合もあるわけですから。それができてないことが、緩急がないという問題にも通底している。もっとパスをつなげるとか、もっとスピードを上げるとか、いろいろな選手がいるのだから、使い分けられるはずです。
要は監督のやり方が一本調子なんじゃないのか、ということです。試合のなかで流れを変えられるだけの力量がないのではないかという気がします。オリンピックでは4着になったけど、4着に沈んだと言ってもいいぐらいだと思っています。その責任は、コンディションの悪い選手を連戦連投で使ったことを含めて監督采配にある。その流れがこの予選にもそのまま出ちゃっている。
(つづく)
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