【日本代表】遠藤保仁「チーム作りはうまくいっている。完成度は80%」 (3ページ目)
遠藤はJリーグの地盤沈下を危惧するが、一方で現代表が以前ほど「国内組」、「海外組」というくくりで、融合か否かと議論されることがなくなったのは、香川真司や長友佑都のように、海外の有力クラブで主力としてプレイしている選手が多いからでもある。ジーコ監督の頃は、海外組とはいえ、クラブでの出場機会が少なかったり、同世代の選手同士が個々のレベルの差をそれほど感じていなかったりした。そうした状況ではどうしても優遇される選手への不満は募るものだ。そういう意味では、個々のレベルは、当時より高くなっているのだろう。
「それは、あると思うよ。単純に南アフリカW杯のときと比較しても、今の戦い方は全然違うでしょ。あのときは守備から入って、(本田)圭佑が起点になってカウンター、あとはセットプレイしかなかった。でも今は、個人で突破できる選手が増えたし、サイドからでも中央からでも攻撃できるようになった。攻撃のバリエーションが増えたのは、やり方が浸透したのもあるけど、個人の能力が上がったことがいちばんの理由だと思う」
個人の質は、上がりつつある。
そこで気になるのが、チームの完成度だ。
「チームの完成度を高めるには、長期間一緒にいられる大会みたいなのが必要。例えば、ジーコのときは優勝したアジアカップ(2004年)、オシムさんのときもアジアカップ(2007年/4位)で戦術を理解できて、『これから』というムードになった。ザックさんは、ふたりのときと違って、チームの出発点が非常に高かった。南アフリカW杯でベスト16に入ったチームが基礎になっているんで、ベースができていたし、いい流れを最初から持っていけた。その後も、アジアカップで優勝するなど、いい感じできている。キヨ(清武弘嗣)とか宮市(亮)とか新しい選手も入ってきているし、香川に代表されるように個人の経験値も上がって、それをチームに還元してくれている。単純に比較はできないけど、オレはこれまでのチーム作りは、それなりにうまくいっていると思っている。完成度は、80%ぐらいじゃないかな」
遠藤は、自信満々にそう言った。
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