【プロ野球】ソフトバンク三軍が韓国で体験した"未来の野球" ロボット審判導入の衝撃と若鷹たちが語る本音 (4ページ目)
ピッチコムの機器を見せる2年目の村上泰斗 photo by Kotaro Tajiriこの記事に関連する写真を見る また、ピッチコムの恩恵を感じていたのは、意外にも内野手たちだった。受信機は投手や捕手だけでなく、ベンチのコーチや二遊間を守る選手も装着する。
二塁手の中澤恒貴は、その利点についてこう語る。
「けん制球はもちろんですが、球種やコースによってポジショニングを考えるから、全球集中してサインを確認しないといけなかった。守備位置から捕手のサインを毎回見るのは、意外と大変なんです。それが耳で聞こえるのはよかったですね」
一方で、ABSの導入に複雑な思いを抱く選手もいた。投手の飛田悠成はこう語る。
「ゾーンぎりぎりの、もしかしたらボールかなという球を捕手のフレーミングでストライクと言ってもらえると、僕は気持ちがどんどん乗っていくタイプ。ABSが本格導入されると捕手がフレーミングにこだわることがなくなっちゃうと思うので、そうなれば僕は寂しいかな」
ストライク、ボールの判定が機械化されることで、捕手の技術のひとつであるフレーミングの価値が薄れていく。飛田はそんな変化にも思いを巡らせていた。
「今春のWBC以降、そうした(機械化の)気運が高まっています。だからこそ、将来的な導入も見据えながら、我々もひと足早く経験しておこうという考えです」(三笠GM)
実際、ピッチコムについては来季から日本プロ野球でも導入される可能性が高まっている。5月27日に東京都内で行なわれたプロ野球選手会とNPBの事務折衝の場でも、その方向性が確認されたという。
そうしたなかで、ひと足早くABSやピッチコムを体験できた今回の韓国遠征は、ソフトバンクの選手たちにとって貴重な学びの場となったに違いない。
著者プロフィール
田尻耕太郎 (たじり・こうたろう)
1978年生まれ、熊本市出身。 法政大学で「スポーツ法政新聞」に所属。 卒業後に『月刊ホークス』の編集記者となり、2004年8月に独立。 九州・福岡を拠点に、ホークスを中心に取材活動を続け、雑誌媒体などに執筆している。
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