「神経質なスラッガー」と「お山の大将」が変わった日 明秀日立・金沢監督が語る「能戸輝夢と野上士耀の成長曲線」 (6ページ目)
「『すぐには活躍できなくても』『スネに傷があっても』という選手を連れてきて、磨き、鍛え上げていく。それが、ウチの学校なんです。すべての能力が最初から揃っている選手や、日本代表だったような選手はいません。でも野球の監督には、その人の人生観が出るもの。類は友を呼ぶ、ということなんでしょうね。だからこそ、一度のドラフトで教え子が4人も指名されたことには、感慨もひとしおです」
【40年の指導が結実した瞬間】
また、今回指名された4選手は、「大学・社会人出身の右のスラッガー内野手」(ソフトバンク5位指名・?橋隆慶)、「アメリカの大学に在学中の投打二刀流」(オリックス6位指名・石川ケニー)、「走攻守三拍子そろった右投左打の外野手」(中日4位指名・能戸輝夢)、「強肩強打の捕手」(オリックス7位指名・野上)と、選手としての特性は実に多彩だ。こうした成果の背景には、指導歴40年(東北福祉大3年時から学生コーチ)で培ってきたノウハウが、大いに生きているという。
「『こういう性格やポテンシャルの選手には、こう指導していけばいい』という考え方が、明秀に来てから自分の中で、より確立してきたという実感があります。生意気な言い方になりますが、かつて光星学院高を率いていた頃よりも、今後は明秀日立のほうが、より多くの選手を輩出していくと思います。
一流校からは声がかからなくても、私なりに素材がいいと思った選手が、おかげさまで集まってきています。もちろん彼らには短所もたくさんありますが、根気強く向き合っていくことで、人間性や考え方が磨かれていく。そうなれば、勝負どころで力を発揮できるようになっていきます。
大学や社会人の指導者の教えも加わり、高卒に限らず、今回はアメリカから、あるいは大学・社会人を経てという形でも指名をいただいた。その意味は非常に大きい。目に見えない部分を大切にしてきたことの積み重ねが、行く先々で実を結び始めているのだと思います」
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