「神経質なスラッガー」と「お山の大将」が変わった日 明秀日立・金沢監督が語る「能戸輝夢と野上士耀の成長曲線」 (7ページ目)
最後に金沢監督に「勝利と育成のバランス」について聞いた。高校野球には、やはり甲子園という大きな目標がある。入学から2年半と限られた期間では、勝利を最優先するあまり、育成に十分な時間を割けないケースも少なくない。そんななかでも、金沢監督はきっぱりとこう語る。
「やはり勝利だけを追い求めてしまうと、人間性といった大切な部分が欠落してしまうと思います。絶対に優先すべきものを、間違えてはいけない。甲子園出場というのは、対戦相手がいて成り立つ、相対的なものです。自分たちがどれだけ強いと思っていても、相手がそれ以上に強ければ、結果がついてこないこともある。だからこそ、人間性を重んじる選手たちがひとつになることが、絶対に不可欠なんです。核となる選手が成長し、確立されたうえで、チームとしてうまく噛み合った時に、初めて甲子園が見えてくるのだと思います」
教え子4人の同時ドラフト指名は、決して偶然ではない。長年にわたり蓄積してきた経験と、厳しさも辞さない根気強い指導、そして何より深い愛情があってこそ生まれた快挙だ。彼らが今後どのような活躍を見せてくれるのか。そして、これから先も明秀日立から、どんな選手たちが巣立っていくのか。今後がますます楽しみでならない。
著者プロフィール
高木 遊 (たかぎ・ゆう)
1988年生まれ、東京都出身。大学卒業後にライター活動を開始し、学童・中学・高校・大学・社会人・女子から世代別の侍ジャパン、侍ジャパントップチームまでプロアマ問わず幅広く野球を中心に取材。書籍『東農大オホーツク流プロ野球選手の育て方〜氷点下20℃の北の最果てから16人がNPBへ〜』(樋越勉著・日本文芸社)『レミたんのポジティブ思考"逃げられない"な"楽しめ"ばいい!』(土井レミイ杏利著・日本文芸社)『野球で人生は変えられる〜明秀日立・金沢成奉監督の指導論(金沢成奉著・日本文芸社)では、編集・構成を担当している。
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