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「草食動物」の髙橋隆慶と「クソ生意気」なケニー石川 明秀日立・金沢監督が語る対照的な成長が導いたプロへの道 (6ページ目)

  • 高木遊●文 text by Takagi Yu

明秀日立時代の石川ケニー photo by Takagi Yu明秀日立時代の石川ケニー photo by Takagi Yuこの記事に関連する写真を見る この話題から発展し、「叱る大人」の重要性についても語られた。

「これを言うと、またいろいろ言われるかもしれませんが、大人は"怖い存在"でなければいけないと思っています。だから生徒たちにも、よく『大人を舐めたらダメだぞ』と伝えるんです。そうした言葉が言いづらい時代になりましたし、大人と子どもの間にある"あるべきライン"が曖昧になることをよしとする風潮もある。でも、それは僕としてはまったく逆の考えですね。子どもたちのためにも、大人は怖い存在であるべきだと思っています」

【強さとおおらかさのハイブリッド】

 そんな「怖い」存在であるはずの金沢監督に対しても、冗談を飛ばし、時には強い意思を示せる石川。その姿からは、頼もしさが感じられた。その思いを金沢監督に伝えると、深く頷いた。

「ケニーのTikTokを見ていると、たしかにそんな感じはしますよね(笑)。そして ハイブリッドです。投打二刀流ということもそうですし、僕が大切にしている武士道の精神と向き合う力も持っている。一方で、ハワイで育ったおおらかさもある」

 石川がジョージア大の3年生として臨むアメリカの大学野球シーズンは、これからが本番だ。今季の活躍次第では、来夏に行なわれるMLBドラフトでの指名や指名順位も大きく変わってくるだろう。

 7月末までオリックスとの交渉権を有しており、現時点では日米両方のプロの世界でプレーするという選択肢を持つ可能性がある。金沢監督は「今度会ったら、『MLBを蹴ってNPBに行くような男になれ』と言いたい。そのほうが面白いじゃないですか」と語ったが、すぐに「でも......」と続け、言葉を付け加えた。

「ケニーのことだから、もし嫌だったら『嫌です』とはっきり言いそうですけどね」

 そう想像して笑う金沢監督の顔は「怖い大人」ではなかった。

つづく>>

著者プロフィール

  • 高木 遊

    高木 遊 (たかぎ・ゆう)

    1988年生まれ、東京都出身。大学卒業後にライター活動を開始し、学童・中学・高校・大学・社会人・女子から世代別の侍ジャパン、侍ジャパントップチームまでプロアマ問わず幅広く野球を中心に取材。書籍『東農大オホーツク流プロ野球選手の育て方〜氷点下20℃の北の最果てから16人がNPBへ〜』(樋越勉著・日本文芸社)『レミたんのポジティブ思考"逃げられない"な"楽しめ"ばいい!』(土井レミイ杏利著・日本文芸社)『野球で人生は変えられる〜明秀日立・金沢成奉監督の指導論(金沢成奉著・日本文芸社)では、編集・構成を担当している。

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