「草食動物」の髙橋隆慶と「クソ生意気」なケニー石川 明秀日立・金沢監督が語る対照的な成長が導いたプロへの道 (4ページ目)
右の強打者は、今の野球において需要が高いだけに、髙橋への期待も大きい。
「社会人からプロに入るわけですから、1年目からが勝負。ラストチャンスくらいのイメージで、強い意志を持ってやってほしいですね。ソフトバンクも、あれだけの(戦力が揃った)チームでありながら指名するということは、何らかの意図があってのこと。日本シリーズを見ていても、さらに右の強打者が重要になってくると感じたので、もっと打力を磨いて、強力打線のなかでも結果を残せる選手になってもらいたいです」
おとなしく弱気な一面もあった髙橋は、長い年月を経て成長を続けてプロ入りを果たしたが、オリックスにドラフト6位で指名された石川は「こんなことは坂本勇人と彼くらい」と、金沢監督を驚かせる一面を持っていた。
現在、ジョージア大でプレーする石川ケニー 写真は本人提供この記事に関連する写真を見る
【ハワイの気候のような男】
この髙橋のように金沢監督が発掘したパターンもあるが、現役時代や40年の指導歴から生まれる縁で明秀日立への進学が決まった選手もある。オリックスにドラフト6位で指名を受けた石川は、後者だった。
仙台高を甲子園出場に導き、光星学院野辺地西高(現・八戸学院野辺地西高)でも監督を務めた故・鈴木直勝(ただかつ)氏は、金沢監督と石川の父・則良(のりき)さんにとって共通の恩人だった。その縁から、まず石川ケニーの兄・シェインさんが同校に入学。2018年の選抜では、記録員としてベンチ入りしていた。
ケニーはハワイで生まれ、小学2年生で来日。中学時代までは横浜で育った。
「『おまえはハワイの気候そのものだ』と、ケニーにはいつも言っていました。周りを明るく、熱くさせる人間でした」
そう振り返る一方で、こんな一面も明かす。
「親父に似てクソ生意気なところがありました(笑)。『もう出ていけ』とか、『今すぐ荷物をまとめて帰れ』と言ったこともあります。するとケニーも、『帰りません』『どきません』と、そんなやり取りになりましたね。周りを明るくする一方で、ちょっとしたことでよく泣いていました。感情豊かなので、手はかかりましたね」
そう語る金沢監督の表情は、どこかうれしそうだった。石川自身も、過去のインタビューで心からの感謝の言葉を並べている。
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