中東初のプロ野球リーグが描く奇想天外な新たな野球 ラクダで入場、マネーボール、ファイアーボール... (4ページ目)
ラクダに乗って登場する先発投手 photo by Asa Satoshiこの記事に関連する写真を見る このセレモニーは先発投手だけで、リリーフ投手は小走りでマウンドへ向かう。それでも、なぜかラクダは試合の半ばまでブルペン奥に鎮座し、異国から持ち込まれた人間のゲームをじっと眺めている。
プロ経験の浅い選手も多いなか、WBC代表を含むマイナーリーガー主体の試合は、十分観戦に耐えうるレベルに仕上がっている。ネット裏に陣取る目の肥えたアメリカ人ファンも、久しぶりに目にするプロ野球に満足している様子だ。
試合終盤になると、両軍がそれぞれ持つ3枚のカードの応酬となる。逃げ切りを図るチームは、イニングの先頭から速球派のリリーフを送り込むと同時に、ファイアーボールのカードを切る。一方、一発逆転を狙うビハインド側は、ランナーが溜まるとマネーボールを宣言する。ある意味では、監督の勝負勘が勝敗を大きく左右するのだ。
将来的には開催期間を延ばしていく予定だが、「シーズン1」はわずか1カ月の短期開催。はたして、砂漠のスタジアムに観客は集まるのか。ベースボール・ユナイテッドのこれからに期待したい。
令和に蘇る怪物・江川卓の真実。
光と影に彩られた軌跡をたどる評伝が刊行!!
『怪物 江川卓伝』 (著・松永多佳倫)
2025年11月26日(水)発売
作新学院高校時代から「怪物」と称され、法政大学での活躍、そして世紀のドラフト騒動「空白の一日」を経て巨人入り。つねに野球界の話題の中心にいて、短くも濃密なキャリアを送った江川卓。その圧倒的なピッチングは、彼自身だけでなく、共に戦った仲間や対峙したライバルたちの人生までも変えていった。昭和から令和へと受け継がれる"江川神話"の実像に迫る!

内容
はじめに
第一章 高校・大学・アメリカ留学編 1971〜1978年
伝説のはじまり/遠い聖地/怪物覚醒/甲子園デビュー/魂のエース・佃正樹の生涯/不協和音/最強の控え投手/江川からホームランを打った男/雨中の死闘/江川に勝った男/神宮デビュー/理不尽なしごき/黄金時代到来/有終の美/空白の一日
第二章 プロ野球編 1979〜1987年
証言者:新浦壽夫/髙代延博/掛布雅之/遠藤一彦/豊田誠佑/広岡達朗/中尾孝義/小早川毅彦/中畑清/西本聖/江夏豊
おわりに
著者プロフィール
阿佐 智 (あさ・さとし)
これまで190カ国を訪ね歩き、22カ国で野球を取材した経験をもつ。各国リーグともパイプをもち、これまで、多数の媒体に執筆。国内野球についても、プロから独立リーグ、社会人野球まで広くカバー。数多くの雑誌、ウェブサイトに寄稿している。2011、2012アジアシリーズ、2018アジア大会、2019侍ジャパンシリーズ、2020カリビアンシリーズなど国際大会取材経験も豊富。
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