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【プロ野球】金本知憲、黒田博樹、菊池涼介たちを見出した男・苑田聡彦のスカウト人生47年の真実 (4ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

── 今年、初の首位打者を獲得した小園海斗選手ですが、2018年のドラフトは大阪桐蔭の根尾昂選手(現・中日)も注目でした。小園選手を1位指名した理由はなんだったのですか。

苑田 バットを扱うハンドワークがよかったですし、やはり彼も一歩目が早かった。彼が報徳学園2年の時に見に行って、「1位は小園以外いない」と担当地区の鞘師智也スカウトとも確信しました。

── スカウト人生のなかで、「獲っておけばよかった」と後悔した選手はいましたか。

苑田 それは絶対に言いません。そんなこと、あとで思っても仕方ないですから。他球団のスカウトは「鈴木誠也(2012年ドラフト2位で広島に入団)を獲っておけばよかった」とみんな言いましたよ。私はスカウト部長になった時、後輩スカウトに言いました。「若いスカウトは言いづらいかもしれないが、ほしい選手がいたら先に言いなさい」と。逆に、私の欲しかった選手が他球団から先に指名されると、その選手のお母さんに「よかったですね。おめでとうございます!」と連絡します。スカウトをやっていたら、そういう気持ちになれるはずです。

つづく>>

苑田聡彦(そのだ・としひこ)/1945年2月23日生まれ。福岡県出身。三池工高から64年に広島に入団。4年目の67年、自己最多の109試合に出場。貴重なバイプレーヤーとして75年の球団初優勝に貢献。77年に現役を引退し、78年からスカウトに。2006年にスカウト部長となり、その後、スカウト統括部長、24年にスカウト部顧問となり、25年2月に80歳になったのを機に野球界から引退した

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