ロッテの19歳「打てるキャッチャー」寺地隆成が語る現状と課題 「一番大事にしているのは試合で感じること」
ロッテ寺地隆成インタビュー 前編
今季、ロッテでスタメン出場が続いている高卒プロ入り2年目の寺地隆成。交流戦終了時点で50試合に出場し、打率.271、4本塁打とバッティング能力が高いキャッチャーとして存在感を示している。インタビューの前編では、キャッチャーとして大事にしていることや感じている課題、メンタル面などについて聞いた。
高卒2年目にして出場機会を増やしているロッテの寺地 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る
【キャッチャーとして「一番大事にしている」こと】
――東京都墨田区のご出身ですが、中学3年生の秋に明徳義塾中に転校し、その後に明徳義塾高に進学しています。明徳義塾高に行こうとした理由は?
寺地隆成(以下:寺地) まず、関東から出たくて。親元から離れたかったんです(笑)。東京の小学校で一緒だった同級生が明徳義塾中に行ったということもありましたし、僕が中学3年生の時にコロナ禍になり、東京で野球がまったくできなくなったんです。そういったことがきっかけで転校しました。
――お父様は世界選手権で3度優勝されている剣道家であり、現在は警視庁剣道指導室主席師範などをされています。どんな教育をされてきましたか?
寺地 小学生の頃はけっこう厳しかったですね。「人としてやったらあかんことはあかん」と言われてきました。
――今季は高卒2年目のシーズンながら、一軍での出場が増えています。ご自身の予想よりも早かったですか? それと、キャッチャーに転向したのが明徳義塾高2年の秋でキャッチャー歴は短いですが、一軍の試合に出場しながらどんな課題を感じていますか?
寺地 こんなに早く、これだけ試合で使っていただけるとは思っていませんでした。課題は、やっぱり配球面ですね。うまくいく時もあるのですが、うまくいかない時も多く、その差が激しいというか......。ピンチになればなるほど考えなければいけないことが多くなりますが、そこでの配球をどうするか。バッターのその日の調子や特徴を踏まえた配球ができているのかどうか。そこが一番の課題だと感じています。
――バッターの対策をするにあたっていろいろなデータがありますが、一方で試合のなかで感じることをいかに配球に組み込むか、ということも大切な作業だと思います。そのあたりはどう考えていますか?
寺地 一番大事にしているのは、試合で感じることですね。例えば、「インコースが弱い」というバッターに対してインコースを突きすぎると、逆にそこの反応がよくなってくることもあります。データを踏まえて配球するのも大事だと思いますが、インコースを引っ張ってきたらアウトコースに要求したり、逆に「足もとに変化球を投げさせてファウルを打たせてみようかな」など、試合で感じることが重要なのかなと。
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著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。