高木豊が語るセ・リーグで飛躍に期待の野手4人 巨人のショートに定着した泉口友汰らを分析した (3ページ目)
――昨年との違いは?
高木 ルーキーイヤーだった昨年と比べて、プロの水に慣れてきたということ。あとは、精神的な落ち着きを感じます。昨年は打った・打たない、守備で捕った・捕らない、とすべてに一喜一憂していて疲れたと思うんです。守備のミスが続いて気持ちがガタガタになっていたので。
もともと、バットコントロールなどは非凡なものを持っているんですよ。それが今年、ある程度起用され続けていることで地位を確立していっていますし、守備の面でも踏ん張っているので面白いと思いますよ。ただ、バントだとか細かいことがあまり得意ではないと思うので、3番など自由に打たせられる打順のほうがいいのかなと。2番に入る時もありますが、そうなると「バントなしで打たせる2番」ということになりますよね。
技術があるのでもっと打率を上げていけるはずですが、そのあたりは伸びしろです。選球眼もいいですし、やはりバットコントロールがいいのでボールを引きつけられるんです。引きつけて逆方向へ打つのもうまい。彼の場合は気持ちが安定すれば、安定した成績を残せると思います。
【DeNAは攻守で期待のキャッチャーも台頭】
――ほかに選手を挙げるとすれば?
高木 またDeNAになりますが、3年目の捕手・松尾汐恩(20歳)です。やっぱりバッティングが魅力(打率.280)で、首脳陣は使いたくなりますよ。若い選手の場合、「とにかく長打が打ちたい」などと思ってしまいがちなんですが、どんな状況でも冷静ですよね。
例えば、追い込まれるまでは力強く振りますが、追い込まれてからはテクニックを感じるんです。この若さでそれができる選手はあまりいません。それと、たまたま芯に当たった、とかではなく、しっかりとボールを捉えています。ときどき雑なときがあるので、もう少し丁寧さがほしいなと思うときもありますけどね。
――DeNAは捕手の競争が激しいですが、松尾選手の出場試合数は山本祐大選手とほぼ同じです(松尾43試合、山本44試合)。
高木 昨年にベストナインとゴールデン・グラブ賞を受賞した山本がいるにもかかわらず、首脳陣が使いたくなる魅力があるということですから、大したもんですよ。キャッチャーとしても成長しています。盗塁も刺していますし、自身のバッティングがいいからか、相手の心理を突くのがうまいしリードもいいです。攻守で非常に楽しみなキャッチャーですね。
(パ・リーグ編:首位打者を狙える打者も 各チームをけん引する野手たちの能力>>)
【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)
1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。
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著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。
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