高木豊が語るセ・リーグで飛躍に期待の野手4人 巨人のショートに定着した泉口友汰らを分析した (2ページ目)
【飛躍に期待の広島とDeNAの外野手】
――他のチームで頭角を現してきたと感じる野手は?
高木 広島の8年目・中村奨成(26歳/打率.257)はボールの見極めがよくなりましたよね。今はオープンスタンスで打っていますが、その利点は両目でボールを見られること。最初は体が開き気味で、徐々に左肩を入れていくわけですが、タイミングも取りやすくなったでしょうし、間ができることによってボールの見極めがよくなっているなと。
来たボールを何でも振り回すのではなく、右におっつけたり、コースに逆らわないバッティングができていますし、広角に打てる技術も持っています。パンチ力もありますし、足もそこそこ速い。いざとなればキャッチャーもやれるわけですし、チームにとって必要な選手になってきましたよね。
――1番で起用されている時期がありましたが、1番は合っている?
高木 彼の"勢い"のある性格が合っているんじゃないですか。今年の広島はクリーンナップや6番を打つ選手が揃っていますし、そんななかで彼の性格に合う打順は1番なのかなと。思考がシンプルだと思いますし、1番はあれこれ考えずに打席に立って集中できますからね。
――広島の外野陣は、7年目の大盛穂選手(28歳)が好調で1番を務めるなど競争が激化しています。中村選手は代打での起用が増えていますが、今後も期待ですね。
高木 そうですね。外野手では、DeNA2年目の度会隆輝(22歳)は近い将来の首位打者候補だと思います。現在の打率はそこまで高くない(.246)ですが、バットコントロールが素晴らしく、凡打の質もいい。だいたいのボールを芯で捉えていますから。3割を打ったり、首位打者になるようなバッターたちは、凡打の内容を見るとほとんど芯で捉えているんです。
例えば、ボールが上に上がったとしても、ちょっとこすった、という感じ。バットをへし折られての凡打はそうそうありません。度会は数少ない3割バッター候補のひとりだと思います。
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