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岡田彰布第一次政権を支えた阪神の元通訳が見た活躍する「助っ人」の特徴「馴染む努力が重要」 (2ページ目)

  • 白鳥純一●取材・文text by Shiratori Junichi

【日本のプロ野球で活躍する助っ人の特徴】

――近年は、加入初年度の外国人選手が華々しい活躍をすることも難しくなりつつありますが、"外国人助っ人"が日本球界で活躍するために必要な要素は何だと思いますか?

「当時と今とでは違うかもしれませんが、野球の実力よりも『日本の社会に適応できるかどうか』が重要だと思いました。例えば、多少なりとも日本語が話せたり。その点、2005年に広島から移籍してきたアンディ(・シーツ)や、"JFK"の一角で活躍したジェフ(・ウィリアムス)は日本に馴染む努力をしていましたね。

 ジェフはとても知的な選手で、アメリカ球界でも"外国人選手"としてプレーしていた時間が長かったせいか、他の選手よりも外国での振る舞いを心得ているように感じました。アンディは日本語をある程度は話せましたし、時には新外国人選手が生活環境に不満を言ってきた時に、『阪神の待遇はすばらしいんだぞ』となだめてくれたこともあった。通訳として、ジェフやアンディにはざまざまなところで助けられましたし、本当に感謝しています」

――日本人の選手たちは、外国人選手とどのようにコミュニケーションを取っていましたか?

「僕が『すごいな』と思ったのは、下柳(剛)さんです。現役時代はあまりメディアへの出演もしなかったので寡黙なイメージがあるかもしれませんが、実際は饒舌で、とても面白い方なんです。まさに、チームの"ムードメーカー"的な存在でした。

 そんな下柳さんが、春のキャンプが終盤に差し掛かった頃に、外国人選手を全員集めて食事会を開いたことがあるんです。最初は和気あいあいだったんですが、だんだん真面目な雰囲気に変わっていって......。最後に、下柳さんが真剣な表情で『俺は優勝したい。そのためにはみんなの力が必要だから一緒に頑張ろう!』と話し始めたんです。その言葉に心を動かされた外国人選手たちが一致団結し、店を出ようとしたら、下柳さんが会計を済ませていたんです。そんな細かな気遣いには、本当に驚かされました」

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