元千葉ロッテ・大嶺祐太が歩むセカンドキャリア「野球界に残らなかったことが『正解だった』と思えるように」 (5ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro
  • 長谷部英明●撮影 photo by Hasebe Hideaki

【5年後、10年後に転身の「答え」が出る】

 大嶺はアパレル関係の仕事も手掛ける。ユニセックスで着用できるシンプルなデザインを中心に、Tシャツ、パーカー、CAPなど身近なアイテムをオリジナルでリリースしている。ブランド名は「LUCIA」だ。

「たまたま、妻の友人にアパレル関係の方がいて、話を聞きにいきました。今は、その世界をよく知っている人に会うようにしています」

 野球とはまったく違う世界で生きる人との会話は楽しい、と大嶺は笑顔を見せる。

「専門用語もわからないし、難しいことばかりですけどね。自分の中につくりたいもののイメージがあって、それを一緒に形にしてくれる人を探していたんですけど、1年くらいかかってやっと出会いました。『こういうのをつくって』と言えば、それをつくってくれます。実際に商品にすることや、それを売ることにはまだまだハードルがありますけど、少しずつ形にしていければと考えています。

 僕がつくるもの、イメージするものに共感してくれる人がいて、それを買ってくれるようになればうれしい。どうやってつくるか、どうやって知ってもらうか、どうやって売るか、勉強することはたくさんあります」

 大嶺は今、35歳。セカンドキャリアは始まったばかりだ。

「野球界に残らなかったことが、5年後10年後に、『正解だったね』と思えるように、事業も、生活面も含めて、しっかり確立したい。妻も『好きなことをやって』と背中を押してくれています。

新しいことにチャレンジすることで人間的に成長すると思う。まだ35歳だし、もし失敗することがあっても得るものがあるはずです。結果を恐れることなく、トライ&エラーでやっていきます」

【Profile】大嶺祐太
1988年6月16日生まれ。沖縄県石垣市出身。
地元・石垣島の八重山商工高時代には、エースとして2006年の春・夏の甲子園に連続出場を果たす。同年のドラフト会議で千葉ロッテマリーンズ・ソフトバンクホークスに1位指名され、千葉ロッテに入団。2015年には8勝をあげるも、その後は怪我にも苦しみ、2度の戦力外通告(1度目は育成選手として再契約)を経て、2021年オフに中日ドラゴンズと育成選手契約。翌2022年シーズン終了後に現役引退。プロ野球通算129試合に登板(85先発)、29勝35敗、防御率4・72。

創作ダイニング HA-LY爬竜船/ハーリー
東京都江東区牡丹3-12-8 小瀧ビル1F
TEL:03-3820-2654
https://oh-inc-oeichi.com/ha-ly/
店内はスポーツ観戦も可能。石垣牛を使った料理や名古屋名物の手羽先が人気。

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