解説者3人が占う2023年日本シリーズ 接戦必至の「関西ダービー」を制するのは? (3ページ目)

  • text by Sportiva

◎岩田稔氏

 ともに投手力があって、打線も派手さはないがしっかりつないで得点する。似た者同士のチームで、接戦になるのは間違いないと思います。

 シリーズは勢いがついたチームが突っ走る傾向が強く、そういう意味で初戦の戦いが重要になってきます。おそらくオリックスは山本由伸投手が先発すると思いますが、阪神はチーム最多勝の村上頌樹投手でいくのか、それともインコースを攻められる西勇輝投手でいくのか注目です。

 短期決戦は印象づけることが大事。初戦で西投手が徹底したインコース攻めでオリックス打線をグチャグチャにすることができれば、その後の展開も変わってくるのではないかと。ふつうに考えれば村上投手ですが、西投手を第1戦に持ってきても面白いと思います。

 打線のキーマンは、阪神は佐藤輝明選手。上位は出塁率が高く、いい場面で佐藤選手に回ってくることが多い。得点機で佐藤選手に一本出ればチームは盛り上がりますし、阪神の流れになる。

 オリックスは日替わり打線で、誰をマークすればいいのか難しいですが、やはり杉本裕太郎選手がカギになると思います。CSファイナルで足を負傷して、どこまで回復しているのか気になるところですが、昨年のシリーズでもMVPを獲得したように短期決戦に強い。杉本選手は長打力もありますし、彼の調子がよければ得点力は上がる。阪神からすれば、乗せたいくない選手ですね。

 予想はほんとに難しいですが、4勝3敗で阪神です。38年ぶりの日本一を達成してほしいという願望もありますが、今年の阪神は集中力の高いチームになってきました。ボール球には手を出さないですし、打ちたい場面でもしっかり我慢して打てる球を待つ。相手からすれば、すごく嫌なチームになってきました。

 もちろん、オリックスは3年連続の日本シリーズ進出ですし、経験値は高い。シリーズの雰囲気もわかっているでしょうし、気持ち的にも余裕があるのではないかと。逆に、阪神はそこにつけ込みたい。オリックスを慌てさせる展開になれば面白くなると思います。

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