解説者3人が占う2023年日本シリーズ 接戦必至の「関西ダービー」を制するのは?

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 59年ぶりの"関西ダービー"となる阪神とオリックスの日本シリーズがいよいよ始まる。ペナントレースを圧倒し、クライマックス・シリーズを危なげなく勝ち上がった両チームによる頂上決戦を制するのは? 解説者3人にシリーズの行方を占ってもらった。

阪神・佐藤輝明(写真左)とオリックスのエース・山本由伸 photo by Koike Yoshihiro阪神・佐藤輝明(写真左)とオリックスのエース・山本由伸 photo by Koike Yoshihiroこの記事に関連する写真を見る

◎攝津正氏

 先発、中継ぎとも投手力は互角。終盤まで僅差の展開になると予想します。そんななかポイントになるのが中継ぎ陣。とくに6回から8回を投げる投手が重要になると思います。

 阪神なら石井大智投手、岩貞祐太投手、オリックスなら山﨑颯一郎投手、宇田川優希投手の出来がカギになるんじゃないかと思っています。彼らがチームに勢いをもたらすピッチングができるかどうか。

 攻撃力に関しては、阪神はオーダーをほぼ固定しており、飛び抜けた選手はいませんが、それぞれが自分の役割をしっかり理解し、試合巧者ぶりが目立ちます。なかでも1番の近本光司選手、2番の中野拓夢選手が塁に出ると、いろんな攻撃パターンが考えられます。バッテリーにもプレッシャーがかかりますし、オリックスからすればいかに彼らを抑えられるかだと思います。

 オリックスは首位打者に輝いた頓宮裕真選手がシーズン終盤に左足薬指を骨折し、CSでは杉本裕太郎選手が右足首を痛めて負傷交代。現状どこまで回復しているのかわかりませんが、もともとオリックスは総合力で戦ってきましたし、もしスタメンで出場できないとなると痛いことは痛いですが、チーム力がガクンと落ちることはないと思います。なにしろ、吉田正尚選手が抜けても、それを感じさせないほど強い戦いを見せたチームですから。

 今回のシリーズは4勝2敗でオリックスが勝つと思います。まず先発陣の層の厚さ。3年連続投手四冠(最多勝、最優秀防御率、最高勝率、最多奪三振)の山本由伸投手、CSですばらしいピッチングを見せた宮城大弥投手のふたりが、それぞれ2回登板できると考えれば、かなり有利になるのではないかと。

 たしかに、阪神先発陣もレベルが高く、枚数も揃っています。ただ、村上頌樹投手、大竹耕太郎投手ともオリックスの選手はファームで対戦経験があり、初見ではありません。そこもプラスに働くのではないでしょうか。

 日本シリーズのような短期決戦は、ひとつのプレーで戦況は大きく変わります。投手からすれば、いかに"シリーズ男"と呼ばれるようなラッキーボーイをつくらないか。また、 "逆シリーズ男"と呼ばれる調子の上がらない選手に仕事をさせないか。それができたチームが勝利に近づくのではないでしょうか。

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